2010
66 「核密約」 裏づける新資料が続々
佐藤 ・ ニクソン極秘文書が私邸に隠されていた10/02/05
67
68 「日本政治の劣化」 を危惧―民主党政権への期待感が揺らぐ―10/03/01
2009 archives
46クラスター爆弾禁止、核廃絶を 軍縮への潮流が強まる/09/01/02
47弱者救済に結束した市民「年越し派遣村」が投じた貴重な一石09/02/01
―危機打開のメッセージを発信―09/03/01
49アフガン紛争、泥沼化を危惧―イラク撤退の一方で、米軍増派とは―09/04/01
50「沖縄返還密約はあった」政府の「文書不開示は不当」と提訴09/05/02
52沖縄密約文書開示訴訟 ・ 第1回口頭弁論「米国が公開している外交文書は存在しないのか」 ―杉原 ・ 東京地裁裁判長が、 被告の国側に質す―09/06/26
53池田龍夫/元毎日新聞・ジャーナリスト/(53)許せない政府高官のウソ 漆間氏の暴言、 谷内氏の3・5島案09/07/01
54「核なき世界」 への胎動―広島 ・ 長崎原爆の 「道義的責任」 ―09/08/01
55「核持ち込み密約」 元外務省高官の相次ぐ証言―揺らぐ 「非核3原則」 ―09/08/01
56「沖縄密約」 文書開示訴訟、 核心へ―吉野文六氏の 「陳述書」 を証拠採用―09/09/01
57集団的自衛権」 見直しを―武器輸出三原則緩和の報告書に驚く―09/09/01
58「鳩山論文」 批判は行き過ぎ―NYタイムズ→日本各紙の問題点―09/10/01
「鳩山論文」 を曲解した “過剰報道” を再検証09/10/10
60「八ッ場 (やんば) ダム」 工事中止の衝撃―無駄な公共事業ストップ!―09/11/01
61吉野文六氏らの証人尋問、 正式決定
12月1日の東京地裁 「沖縄密約」 情報開示訴訟 民主党政権の “情報公開” でチェンジを期待09/11/06
2008 arhives
29日米関係〝負の連鎖〟…「ねじれ国会」と福田政権08/01/01
30「3分の2条項」乱用を危惧ー新テロ特措法…ガソリ税暫定税率ー08/02/01
31政治権力と言論機関の在り方をめぐって 「ナベツネ問題」を考える ㊤08/02/06
32政治権力と言論機関の在り方をめぐって 「ナベツネ問題」を考える 08/03/01
33「沖縄返還密約」への判断を示さず 西山・国賠訴訟控訴審 またも「除斥期間」タテに門前払い 08/03/11
34 恐るべき虚偽情報の連鎖 ーイージス艦衝突と防衛組織の劣化ー08/04/01
35 危険な「時代の空気」ー劣化する政治、表現の自由を侵害ー08/05/01
36「西山・国賠訴訟」最高裁へ上告 沖縄返還をめぐる「密約」を争点に08/05/03
37 平和に生きる権利ー 61回憲法記念日と混迷する政治ー/08/06/02
日本は先頭に立って世界を救え /08/07/01
39地球“蘇生の道”険し 具体策に欠けた洞爺湖サミット08/08/01
40ドキュメンタリー「戦時性暴力」改変訴訟 最高裁、“政治介入”の判断を避ける 東京高裁判決を覆し、NHKが“逆転勝訴”08/08/28
41核廃絶」へ国際的潮流 「原爆の日」を契機に高まる叫び 08/08/28
42沖縄密約」国家賠償訴訟 最高裁が上告棄却、西山氏の敗訴確定 米外交文書など新証拠の判断を回避08/09/10 西山裁判 上告理由書を読む(PDF)
43核拡散防止体制の形骸化「米印原子力協定」とNSGの対応08/10/02
総選挙ひかえ、麻生政権の体質を点検/08/11/01
45文民統制の徹底が急務 恐るべき 「田母神論文」の波紋/08/11/30
2007 archives
12安倍丸”の針路が気懸かり「教育」も「イラク」も視界不良/07/01/01
13沖縄返還“密約”は明らか… 東京地裁「西山太吉・国家賠償訴訟」結審、3月27日に判決/ 07/01/05
14NHK、番組改編訴訟で敗訴 東京高裁が賠償命令 従軍慰安婦問題と「政治介入」 / 07/02/01
15憲法改正」促進に狙い 国民投票法案の問題点を考える / 07/02/01
16沖縄返還密約」裁判の今日的意義 3月27日「国家賠償訴訟」判決の前に考える / 07/02/21
17 米軍再編、防衛論議は慎重に 防衛省誕生と基地問題への対応 / 07/03/01
18防衛機密」と「知る権利 」 読売の中国潜水艦火災報道を検証 07/04/01
19 「沖縄返還密約」の判断を回避 国家賠償請求をシャットアウト東京地裁「西山・国賠訴訟」に判決/07/04/03
20 「密約」封印し、知らん顔―沖縄訴訟〝西山敗訴〟と国家権力―07/05/02
21機密保護→情報操作に流されるな」 「沖縄返還密約」 西山太吉氏が外国人記者クラブで会見 /07/05/02
22拙速「改憲」が気がかり 「憲法施行六十年」の各紙を検証 /07/06/01
23 「議会制民主主義」踏みにじる 目に余る〝問答無用〟の強行採決/07/07/01
24ズサンな歴史認識に愕然 63年目の原爆忌を前に/07/08/05
25「テロ特措法」延長で激突 参院選勝利の民主党が〝第一弾〟 07/09/01
26 無責任な敵前逃亡/「戦後レジームからの脱却」の虚構07/10/01
ex 軍事機密と報道規制、市民監視/07/10/26
27イラク戦へ流用疑惑ー「インド洋給油」の徹底解明をー07/11/01
28「幻の大連立」と報道責任 07/12/01
2006 archives
1(欠番)
2遂に「沖縄密約」認めた吉野証言/06/03/08
3沖縄返還をめぐる「国家犯罪」/06/04/16
4日米軍事一体化」へ進む日本ー日米安保の再考ー/06/05/15
5在日米軍再編〝パッケージ論の落とし穴/06/06/15
6ブッシュ・小泉首脳会談の罠/06/07/17
7戦争責任」を深く考えよう/06/08/22
8沖縄「密約」事件と国家犯罪/06/09/22
9「核持ち込み」の怖れ…非核3原則堅持の再確認を/06/11/01
10沖縄返還「密約」をめぐる攻防「国家賠償訴訟」で西山太吉氏が核心に迫る証言/06/11/23
11基地・沖縄に新たな難題「PAC3」配備と普天間移転/06/12/01

池田龍夫/元毎日新聞・ジャーナリスト/「日本政治の劣化」 を危惧―民主党政権への期待感が揺らぐ―10/03/01
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鳩山由紀夫 ・ 民主党政権発足から5ヵ月、 国民の期待感が高まるどころか、 下落傾向の現状は嘆かわしい。 景気低迷に加え、 小沢一郎幹事長がらみの政治資金疑惑騒動が、 暗い影を落とす。 政界浄化と民生安定を願って 「チェンジ」 を期待したはずだが、 停滞する政治 ・ 社会状況に国民はウンザリしている。
景気対策のほか、 沖縄 ・ 普天間基地移設問題などの難問をどう打開するか。 … “小田原評定” が続くばかりの 「時代の閉塞感」 に国民が活力を失い、 ひいては国際的地位の低下を引き起こす危険性を孕んでいる。 オバマ米大統領も内外の重大案件の処理に四苦八苦。 1月末に 「オバマ一般教書」、 「鳩山施政方針」 演説があったばかりで、 両国に共通の難題があることを痛感させられた。
オバマ大統領は、 雇用 ・ 金融 ・ 財政赤字対策など内政問題に演説の3分の2を割いた。 出口の見えない景気低迷によって米国民に不安が高まっている現状を踏まえ、 その打開策を懸命に訴えた姿は印象的だ。 「国内経済」 の項に、 中国の台頭などに警戒感を示す個所があったが、 日本への言及がなかったことに、 些かショックを受けた。
「米国がもたついている間も、 中国は経済改革を待ってはいない。 ドイツもインドも立ち止まってはいない。 これらの国々は数学や科学を重視し、 インフラ整備を進め、 雇用創出に向けてクリーンエネルギーに投資している。 米国は、 第2位に甘んじるわけにはいかない」 と語り、 技術革新や温暖化対策などを重点課題とし、 「五年間で米国の輸出を倍増させ、 200万人分の雇用増につなげる」 と強調して、 米国民の協力を訴えた。
「失われた20年」 と言われる、 日本経済の長期落ち込みを裏書きするような屈辱ではないか。 オバマ大統領の “日本無視” と思いたくはないが、 「これからの競争相手国は、 中国 ・ ドイツ ・ インド」 との指摘に、 日本は目覚めなければならない。 日本の技術力や環境対策などの水準が高く評価されているのに残念でならないが、 その要因が 「政治の貧困と無策」 に根ざしていることは明らかだ。
麻生太郎 ・ 自民党政権下の昨年3月、 「西松建設不正経理」 に端を発した、 「小沢一郎 ・ 民主党代表の政治資金法違反疑惑」 が、 1年もの長きにわたって日本政治を揺るがしている。 総選挙 (09.8.30) で民主党が圧勝して鳩山政権が誕生したが、 東京地検特捜部は追及の手を緩めず、 過剰とも思えるマスコミ報道が続いて、 「民主党vs.検察庁」 の対立構図が世間を騒がせてきた。 この間の経緯は連日報道されてきたが、 マスコミ報道の行き過ぎについても甲論乙駁の議論が続いている。
小沢幹事長の会計責任者だった秘書 ・ 石川知裕氏 (現衆院議員) が政治資金規正法違反 (虚偽記載) 容疑で逮捕され、 小沢氏に強制捜査が伸びるとの観測も流れていたが、 東京地検は2月4日、 石川容疑者ら秘書3人の起訴だけにとどめ、 小沢氏は嫌疑不十分で不起訴処分となった。
これで小沢氏の疑惑が晴れたわけではなく、 検察側は今後三人の公判を通じて “小沢氏の関与” を執拗に追究していく構えだが、 「不起訴」 決定の現実を、 検察捜査の節目と冷静に捉えるべきだ。 「小沢氏の勝利」 「検察の敗北」 といった論評を軽々にすべきでないことは当然だが、 それどころか小沢氏を 「灰色に近い黒」 と決め付ける中傷誹謗が国会審議で飛び交う異常な状況には呆れる。 「推定無罪」 原則に反する 「人権無視」 の言動ではないか。
「民主党vs.検察庁」 の大騒動によって、 政治が停滞し、 具体的政策が後手後手に回っている現状に、 国民は辟易している。 鳩山首相の 「施政方針演説」 (1.29) が、 国民の支持と期待を呼び戻す契機になったろうか。 「いのちを守る」 をキャッチフレーズとし、 「地域主権、 社会保障制度改革、 教育改革、 緑の分権改革」 など “鳩山カラー” を盛り込んだ内容に “新鮮さ” を感じるが、 具体策に欠けるのは遺憾だ。 冒頭、 首相自身の 「政治資金処理の不手際」 に陳謝したものの、 国民が注視している 「政治とカネ」 への言及は不十分で、 「普天間基地」 のほか、 「マニフェスト不履行」 などの難題に踏み込んだ説明のなかったことが物足りなかった。
中でも、 マハトマ ・ ガンジー師の 「七つの社会的大罪」 を引用して、 「まさに、 今の日本と世界が抱える諸問題を、 鋭く言い当てているのではないでしょうか」 との演説口調に、 反発する声が強い。 ガンジーの崇高な言葉に照らし、 鳩山首相は 「社会的大罪」 二番目の『労働なき富』に当たるとの指摘であり、 弁解の余地はあるまい。 資産家の鳩山家を攻撃するつもりは毛頭ないが、 「政治とカネ」 について自らの姿勢を明示し、 その反省に立って企業団体献金禁止などの抜本改正を断行することを公約すべきだ。 その上で、 「いのちを守る」 ための具体策を推進してほしい。
政府 ・ 与党の 「官僚依存から脱却し、 政治主導を推進」 「事業仕分けによるムダの排除」 など、 5ヵ月間の取り組みに反対ではないが、 実効が上がっているとは言えない。 「マニフェスト」 にこだわるあまり “総花主義” に陥って混乱している印象だ。
「政策価値が総花的で議論が発散的な時、 多くの会議体による議論は政策の八方ふさがりをもたらす。 鳩山内閣では政府内に多くの会議体がある。 仮にその結論に対し尊重姿勢で等しく接すれば、 会議体の相互けん制構図となり、 いずれも十分に尊重できない中途半端な結果をもたらす。 政策形成への国民的信頼性を失い、 経済社会に対する政策効果も低下させる原因となる。 国民の信頼を確保しつつ中途半端な政策に陥らないためには、 ①政府の価値判断を明確にするため政策的な優先順位を判断する参照基準を具体的に明示する、 ②地域主権や行財政改革等縦割りを超えた制度設計に対しては他の会議体に比べ、 より高い実質的権威を付与する、 ③尊重しても反映できない場合は政府として経緯を含め詳細な説明責任を果たす――などが必要となる」
と、 宮脇淳教授 (北海道大公共政策大学院) が、 「国政の決断力」 と題する貴重な一文を毎日新聞 (2.6朝刊 『経済観測』) に寄稿している。 政府 ・ 与党内での調整に基づき、 「優先順位をつけて政策を決断することが国民の信頼につながる」 との指摘は示唆に富む。 「コンクリートから人へ」 という政策目標の具体策を迅速、 着実に積み重ねていけば、 閉塞感を吹き飛ばす展望が見えてくるはずだ。 政策に不慣れな民主党政権を非難するだけでなく、 国民、 マスコミからの建設的提言とサポートの必要性を痛感している。
最後に、 「マスコミ報道」 について若干触れておきたい。 「小沢氏の政治資金疑惑」 に関する東京地検の動きを追うことは報道機関の責務だが、 「関係者によれば、 小沢氏関与の疑いが濃い…」 といった表現を乱発し過ぎていなかったか。 報道機関それぞれに調査報道に徹し、 多くの事件関係者に裏づけ取材して 「公正な報道」 に努力したと信じたいが、 取材競争の激化が引き起こす “過剰報道” “誤報” のケースが、 従来の事件報道より目立つのが気になる。 「検察のリークなくして書けないような、 密室取調べの具体的記述」 が、 「関係者への取材で…」 として紙面化され過ぎたことに、 「記事の行き過ぎ」 を指摘する声が高まっていることを無視できない。 特定の社を非難するわけではないが、 恐るべき一例を取り上げておきたい。
読売新聞1.26朝刊社会面掲載の 「訂正」 は、 “間違い” を認めた証拠だ。 「25日夕刊の 『石川議員、 手帳にホテル名』 の記述で、 『東京地検特捜部が押収した石川知裕衆院議員の手帳には中堅ゼネコン水谷建設の元幹部らが同議員に5,000万円を渡したとする2004年10月15日の欄に、 授受の場所とされるホテル名が記されていた』 とありますが、 手帳は、 04年ではなく、 05年のものでした。 ホテル名が記載されていた時期も同年4月でした。 石川議員関係者側の取材に基づくものでした。 記事と見出しの当該部分を取り消します」 との訂正文に驚かされた。 『読売』 1.25夕刊社会面トップ記事のミスで、 『日経』 社会面も同様な記事を報じ、 すぐ 「訂正」 していた。
このほか 『産経』 大阪本社版1.22朝刊1面記事の中で 『小沢容疑者』 と誤記したことは、 一片の 「おわび」 では済まされぬ大失態である。
「リークがあったか、 否か」 の論議には、 論証不能の限界はあるが、 今回の過剰報道の問題点をマスコミ内部で検証、 より厳正な報道姿勢を確立してもらいたい。 (池田龍夫=ジャーナリスト)
(池田龍夫=ジャーナリスト)