戸塚章介(元東京都労働委員会労働者委員)海外旅行・南フランス(2007年)② 17/03/16

明日へのうた]より転載

 ワイナリー見学の後、バスは一路ベルジュラックへ。あのシラノ・ド・ベルジュラックとは何の関係もないそうだ。着いたのは夕方だったが、すぐ小型船に乗り換えてガロンヌ川のポートクルーズ。このガロンヌ川、昔はボルドーからトゥ―ルーズまでフランス南西部を縦に走る貴重な水路だった。

 約1時間のクルーズを楽しんだ後、郊外の鄙びた2階建ての「大きなブドウ畑の館」という名のホテルにチェックイン。夕食はそのホテルのレストランでとった。テリーヌなどのカモ料理が主体でワインもおいしい。知り合いの上野さん、油田さんたちと一緒のテーブルで楽しく飲んだ。外へ出たら寒くて震えた。

 翌25日も移動日。午前9時にホテルを出発、30分ほどでモンパジェという昔の城塞都市に立ち寄る。それまでの都市はお城や教会が中心だっだがここは市場が中心。その周りに都市が形成された。つまり封建社会から資本主義への移行の象徴的都市なんだよな。市場は今でも活発に商売をしていた。

 午後は丘の中腹につくられた修道院へ。見晴らしはいいんだけど上りも下りもきつかった。今夜の宿はカルラ・ラ・カネダという町のホテル・ドゥ・セルべ。このホテルには2泊した。

 26日は本ツアーの目玉の一つである「ラスコー洞窟」壁画見学だ。およそ1万7000年前、クロマニヨン人が、住んでいた洞窟に人間や動物を描いたという。もちろん世界遺産だが、この壁画はレプリカなんだそうだ。本物は浸食されない場所に移管され、精巧に摸写したものがここにある。入場料を払って洞窟内に入るが、絵は案外高い所に描かれていて、立ち通しで見て回ったら首と腰が痛くなった。

 各自負担の昼食後、巡礼の聖地ロカマドールを見る。おれはあまり興味ない。退屈して「ここは新宿二丁目みたいだ」と言ったら「何故か」と聞くから「オカマ通りだ」と答えたのだがあまり皆さんから受けなかった。

 午後4時に「オカマ通り」を発った。5時にはカネダの町に帰って街を散策するつもりだったが、町に入るところで交通規制に会い、ぐるぐる回らされて結局ホテルに着いたのが6時半。その足でレストランまで行き夕食。カモのフォグラが出たが、そんなにおいしいものではなかった。

 この旅行では飲み物料金をその都度集めるシステム。面倒でありなおかつ気分良く飲んだ後では興醒めだ。おれが主宰する旅行ではあらかじめ共通経費を徴収しておいて、その中から飲みもの代を払うようにしている。