戸塚章介(元東京都労働委員会労働者委員)海外旅行・パリ(2005年)④ 17/01/15

明日へのうた]より転載

 《パリはもう5回目くらいになるのかな。伝統の街、石造りの街。この石はパリの地下から掘り出したそうです。パリという街全体が硬い岩盤の上に乗っている。石造りの家をつくるために地下道を掘ってその地下道が縦横に延びたのでそこへ電車を通らせて地下鉄にしたという説もある。あまり信用できる説じゃないけどね。とにかくシャトルなんて駅は大手町以上に複雑な地下道でできていることは確かだ》

 《2月6日、日曜日。午後3時です。今朝、川崎さんと梶さんが風邪や腹痛で具合悪いというので、豊さんと2人だけでドライブに出かけることになりました。ホテルの近所でレンタカーを借りて10時前に出たんですが、豊ちゃん、最初からどの道を通ればいいか分からない。しかも無茶苦茶な走り方です》

 《やっと高速13号線を探し当ててパリが一望できるという郊外の高級住宅地へ向かいました。やっと着いたと思ったら駐車できるところがない。道路も空き地も立錐の余地もなく車で埋まっている。結局一回りしてまた13号線をさらに遠くへ。ゴッホが住んでた街があるはすだと豊ちゃんはいうけど、それらしい街はない。小便がしたくて寄った喫茶店はどうやら競馬の私設馬券売り場(ノミ屋)だった》

 《もうドライブは諦めて引き返すことに。パリ環状道路まで戻ったがそこからどうモンパルナスへ行くかが大問題。モンパルナスタワ―を目当てにやっと辿り着きました。豊ちゃんご苦労さん。でもあの運転見てたら川崎さんと梶さんが今朝になって急に腹痛起こした謎が解けた感じです》

 《今回の旅行、ほんとに金を使わないな。パリに着いて5万円両替。それで316ユーロ。そのうち200ユーロを団費に出す。後は小遣いだがほとんど手つかずに残っている》《ドライブから戻って1人で福来楼でラーメンとビール。11.4ユーロ。店を出てセーターとチョッキで歩いても全然寒くない》

 夕食は念願の「牡蠣の3段重ね」を食う。細かく砕いた氷の上に生牡蠣をはじめいろんな貝が乗っている。茹でたイセエビやワタリガニもある。よく冷えた白ワインが豪華な食事をさらに引き立たせた。

《2月7日、午前10時15分。5日間お世話になったホテルセントラルとお別れしてこれから帰路につきます。空は雲一つない青空。気温も千葉県なみ。快適です。ホテルの前、道の両端を水が流れています。紙屑や犬のウンコが流されてきれいな街に変貌いたします。それではパリの街、ごきげんよう》