戸塚章介(元東京都労働委員会労働者委員)米資本の巨大倉庫店に行って驚いた 17/01/03

明日へのうた]より転載

 暮れの30日、二女の桃子の運転で孫2人(小3、3歳)と新三郷のコストコ(COSTCO)倉庫店へ行った。午前10時だというのに駐車場はいっぱい。立体駐車場の最上階にやっと空きスペースを見つける。エレベーターで1階の売り場へ。驚いた。人と大型カ―トで押し合いへしあいの混雑なのだ。

 「なんだこれは。日本は消費不況ではなかったのか」。確かに常盤平や五香の駅前商店街は年末大売り出しでも閑散としている。しかしここは買い物客の洪水だ。おれはワインを5本、桃子は海苔のパックとミニトマトを買った。レジは欧米式の自分で商品を並べ、清算したのを自分で袋に詰め込む方式。おれたちの前の若夫婦は3万数千円支払った。帰りの道路はこれから店へ入ろうとする車で行列していた。

 おれが店内を見渡したところ客層は30代、40代が中心でおれのような高齢者はほとんどいない。働き盛りで、それなりの購買力がある中流家庭がターゲットなのだろう。

 家へ帰ってからコストコとはいったい何ぞや、とネットで調べてみた。創始は1976年、米カリフォルニア州サンディエゴ。コスト低減を目指した小売店としてスタートし、1983年に倉庫型をオープンした。そして世界中に店を広げる。日本では1999年の福岡市郊外店が第一号。

 現在は千葉県幕張、横浜市金沢シーサイド、東京都町田市など25店。土地の高い都心でなく、郊外に広い土地を確保しばかでかい倉庫を建て駐車場を完備する。買い物客を不特定多数相手でなく会員制にしたところがミソ。顧客に割安感と優越感を持たせ、少し遠くてもひんぱんに足を運ばせる。

 取扱商品は、肉・魚・野菜などの生鮮食料品、弁当・寿司、飲料・アルコール類、家電、ベビーキッズ、スポーツ用品、薬・化粧品、お菓子・スナックなど。店内に美容室やクリニックもあり、車のタイヤや補聴器も売っていた。かなり広い食堂スペースがあったが、家族連れで満席だった・

 ワイン売り場の棚には1000円から2000円の輸入ものが並ぶ。他の商品もそれほど高級なものはない。とにかく大変な大量販売方式なのだ。日本の消費者階層のうち一番おいしいところがアメリカ資本に吸い取られているという感じだ。この巨大倉庫店にどのくらいの街の小売店が踏み潰されたのだろう。