戸塚章介(元東京都労働委員会労働者委員)海外旅行・韓国(2004年) 16/12/27

明日へのうた]より転載

 それまでアメリカへ行くことが多かった独身貴族の長女正子が、韓国の魅力にはまったのがこの頃。以来今日まで年に2~3回ずつ訪韓している。その正子と桃子、おれと女房の4人で5月26日~30日の4泊5日、ゆったりした韓国旅行をした。街中の移動は地下鉄とバス、それだけソウルに溶け込めた。

 26日、成田発10:20、インチョン空港に12:50。バスでソウル市内へ。宿舎は西大門のミラポーホテル。夜は前回も桃子と行った東大門の大衆焼肉屋。煙がもうもう立ち込める座敷で牛肉主体の焼き肉とマッコリを堪能した。アルコールのダメな女房と正子は不満顔。それにしても値段が安い。

 27日午前は桃子お薦めの絵本喫茶。日本にはないよな。夜は小さな劇場で「地下鉄一号線」というミュージカルを観た。日本語のパンフレットを読んで粗筋を頭に入れる。客席と同じ平面の舞台が親近感を呼ぶ。映像を多く使った舞台構成だったが、どんな内容だったのか。退屈しなかったことだけは確かだ。

 28日はセマウル号に乗ってソウルから天安へ。駅からバスで独立記念館。たっぷり時間をかけて、日本統治下の韓国の歴史を辿る。正子も桃子もこのような展示に興味を持つというのはやはり親譲りか。夜は新村(シンチョン)の高級居酒屋で夕食。店にマッコリが置いてなかったので韓国酒を飲んだ。

 翌朝早くホテルを出て地下鉄で江南へ行き、そこからバスで郊外の民俗村へ。4人で回った民俗村は楽しかった。1日遊んで夕方ソウル市内に戻る。夜は桃子の留学時代の友だちジョナともう一人の女の子に連れられてインサドンの居酒屋で食事。若者向けのチェーン店みたい。ここのマッコリは大きなドンブリに入っていて柄杓で掬う。韓国風お好み焼きのチヂミがうまい。何枚でも食える。

 韓国ではちょうどその頃組合のストライキが盛んにたたかわれていた。チヂミを食いながらジョナちゃんに韓国の労働組合について質問したら「私たちは組合を支持しています」との返事。しっかりした若者たちに支えられているんだな。労働組合の姿がすっかり見えなくなった日本と比べて羨ましくなった。

 最後の日はわざわざ地下鉄に乗って、有名なお粥朝食を食いに行った。わざわざ行くだけのことはあると思わせる旨さだ。その後女房と娘たちは買い物に精を出し、おれはぼんやり街を歩いて、インチョン空港18:20発、成田20:30着で帰国した。家族4人の旅行はその後はない。