戸塚章介(元東京都労働委員会労働者委員)海外旅行・ポーランド、ハンガリー(2003年)③ 16/12/16

明日へのうた]より転載

 夕食の後、クラクフ発22:40の夜行寝台列車でブダペストへ向かった。これが3段ベッドで狭くて寝にくい。やっと眠りに入ったと思ったら「パスポート、パスポート」と軍服の係官に起こされる。さんざんだ。9:30ブダペスト駅に到着。駅には顔なじみのジョルジュさんとガールさんが笑顔で出迎え。

 雲一つない青空。気温は31度だが昨日は40度だったという。今日はハンガリーの建国記念日。街はお祭り一色だ。ブダ地区の王宮前での式典に参列した。若い女性が素晴らしい声で国家や祝い唄を独唱。近在の村長さんが短い挨拶をする。どうやら収穫祭も兼ねているらしい。とにかく大変な人の群れだ。

 ハンガリーは3度目だが初めて市街電車に乗った。一度ホテルに戻り、夜の花火大会を待った。花火は遊覧船から見る。18:30にドナウ川にかかる鎖橋のたもとから乗船し、川の中ほどに止まる。ドナウ川と花火大会、饅頭とワインみたいな組み合わせだな。飲み放題、食い放題は素晴らしい。

 花火は21:00開始。それまでに船のデッキでワインをガブガブ。オードブルも美味かった。さあ花火だ。音楽に乗って夜空を彩る。花火の仕掛けというのは万国共通なんだな。空を見上げたとたんバランスを崩して椅子ごとひっくり返る。それでもワイングラスを放さなかったとみんなから誉められた。

 22:30花火打ち止め。22:40下船。人混みの中をバスまで歩く。沿道には屋台が出ていて若者がビールなど飲んでる。日本のお祭りと違って酔い潰れているようなのはいない。整然と飲んでいる。やっとバスに辿り着きホテルへ。もうすぐ日付変更時間だ。もう飲めない。部屋に戻って素直に寝た。

 21日は9:00にホテルを出て貴腐ワインで有名なトカイへ向かう。お昼近くになるのにまだ着かない。「トカイというのにずいぶんイナカだな」ととっておきの洒落を飛ばしたのにあまり受けなかった。この地方は川に沿って丘陵が連なり、その斜面がワインの栽培に最適なんだそうだ。

 昼飯に飲んだ貴腐ワインは甘いだけでおれには美味くなかった。それでも最低クラスのを1本みやげに買った。宿泊地のエゲルもワインで有名。街の中心部から2キロほど離れた窪地に「美女の谷」と呼ばれるワイン蔵の集積地がある。その一つに入ってワインを飲んだが、注いでくれたのはお婆さんだし、なんで美女の谷と呼ばれているのか不明だ。特に説明もなかった。ま、貴腐ワインよりは美味かったけどね。