戸塚章介(元東京都労働委員会労働者委員)最後の楽園バリ島から③ 16/11/11

明日へのうた]より転載

 バリ島滞在5日目、曇りで涼しい。今日はどこへも出かけないで基本的にはビラビンタン内で過ごしたいと思っている。朝からしばらくインターネットが不調だったが、10:20、やっとつながった。この間『じゃかるた新聞』をまとめて3日分読んだ。やはり一面に米大統領選のニュースが出ていた。

 45代米大統領にトランプが当選。インドネシアの反響はどうか。「(ジョコウィ)大統領『協力関係続ける』」「反ムスリムに懸念」。ジョコウィ大統領はトランプ氏勝利を受けて9日夜、祝意を表し、「インドネシアは互いにとって利益ある友好関係を続けて行く準備はできている」と述べた。

 トランプ氏の過激発言、特に国内外のテロに関し「ムスリムのアメリカ入国を禁止する」と言ったことにはジャカルタの市民から驚きと警戒の声が上がっている。しかし大方の街の声は「少し反ムスリムという気がするけれども、あんまり心配はしない。まだ本当のところは分からない」「実業家だからアメリカ経済を率いるにはよいかも知れない」などといったあたりらしい。

 11時になって薄日が漏れてきて蒸し暑さがじわっと感じられるようになった。昨日、日本領事館に用事のある光森さんに同行してデンパサールに行ってきた。久しぶりにガルーダ公園(まだ工事中)に寄り、光森さんの「パリの治安に関する会議」が終わるまで、以前入ったことのある独立博物館で時間をつぶした。光森さんの話ではパリのリゾート地区でひったくりに遭う若い女性が増えているそうだ。

 ビラビンタンの前の田んぼを潰して建てたコテージ形式のホテル。まだすべてのコテージが出来上がるまでには半年以上かかるそうだ。ほんとは去年中に完成しているはずだったのにね。それからビラビンタンのスタッフだったストウさんが村長を務める村のお寺も建築に2年以上かかっている。この地は何でもスローなんだよな。車で移動中にも建てかけの家をそこら中に見かける。人手不足なのかな。

 左肩の痛みはなかなか取れないが、眠れないほどではない。このところ便秘気味だったがこちらへ来て逆に軟便っぽくなった。出先で下痢症状がでないか少し心配だ。明日は朝早くキンタキーニ高原まで遠出して植林セレモニーに参加する。朝きちんと出すものを出して腹の調子を整えておかなくちゃ。

 というわけで、時は静かに悠然と流れている。もうすぐ正午だ。部屋で、買い込み過ぎた缶ビールを飲んでからビンタンダイニングにうどんでも食いに行こう。それから昼寝だ。13日朝成田に着く。