戸塚章介(元東京都労働委員会労働者委員)最後の楽園バリ島から① 16/11/08

明日へのうた]より転載

 「バリッバリッバリッ」物凄い雷の音に昼寝の夢を中断された。いま日本から5,840キロ離れたバリ島にいる。昨日7日11:00に成田を発って16:45(現地時間)にデンパサール着陸。予定時間よりだいぶ早い。喜んだのはいいが、毎度のことながら荷物の出てくるのが遅い。いらいらする。

 空港は3年前に新装なったが、離着陸システムは相変わらずのんびりだ。ビラビンタンのボンさんが車で迎えにきてくれていたが、出入国者が一段と増えて駐車場探しに苦労したそうだ。18:30に空港を出てウブドのビラビンタンには19:45。元神戸新聞労組委員長の光森さん夫妻が待っていてビンタンダイニングで一緒に夕飯。焼きそば(ミンゴレン)とやきとり(サティアヤン)とビンタンビール。

 開け放しの窓から蛍が見えた。前は群舞していたと思うが、一匹ずつすーっと光ってすぐ消えた。部屋におさまってトランクの中のものを引き出し、寝巻を着てからベランダで日本から持ってきた焼酎を水割りで飲んだ。風もなく星もなくどんよりとして蒸し暑い。バリはいま雨季に入ったところだという。

 夜は暑さのため寝苦しかったが朝は爽やかだった。6:00に起きて、明けゆく朝の光と空気を堪能した。朝食は8:00から。おれはバリ島は10回目。このところ朝飯のメニューは、珈琲、トマトサンド、オムレツ、レモンジュースで一定している。にんにくの利いたオムレツがおいしい。

 宿帳に名前を書くなどの宿泊手続きを終えてから王宮前のメインストリートで円とルピアの両替。いま1円は130ルピアになる。2万円替えたら260万。大金持ちになった気分だ。その足でスーパーへ行き、バリワインと缶ビールを買い込む。昼飯はいつも行く地元食堂。堅やきそばと小ビール2本。

 宿舎に戻り、ボンさんにパソコンをインターネットにつないでもらった。これでメールもブログ更新もできる。携帯もインドネシアモードに切り替えられるが、通話料が不明なので安易に使わない方が賢いようだ。おれの最初のバリ訪問は14年前になる。その頃に比べると便利になったものだ。

 いわゆるリゾート開発が進んでこの辺も急激に変貌しつつある。田んぼや畑を潰し、灌木を切ってどんどんホテルやコテージができている。市場も掘立小屋から2階建てのビルになった。道もきれいに舗装・整備されつつある。それは文明の進歩なのだろうが、バリ文化にとってはどういうものなのだろう。