戸塚章介(元東京都労働委員会労働者委員)海外旅行・ハンガリー(2001年)② 16/10/10

明日へのうた]より転載

 2日午前中はバスでウィーン市内見学。国会議事堂や博物館、渥美清がやってきて「男はさらいよ」のロケをやった公園も見た。昼食は市庁舎地下の食堂。食堂といっても街のレストランを凌ぐ豪華さで、皆満足してワインをグビグビ。スープや料理もおいしい。午後は国境を越えてハンガリーのショプロンへ。

 ハンガリーはEUに加盟したので、02年3月まではフォリントだがそれ以後はユーロになるそうだ。ショプロン中心部の広場には火の見櫓、三位一体像、山羊教会等がある。ローマ時代の城壁が残る古い町だ。冷戦最後の頃、この町から東欧市民が西欧へ脱出した。ハンガリー政府はそれを暗に助けたと言われている。

 《これからショプロンの街へ散歩に出かけます。日差しは強いですが日陰に入ると涼しい。風がさわやかです。古い町で、美しい街並み。八百屋さん。パプリカ、トマト、キャベツ。路地に入りました。50%引きの女性の下着の店があります。これは喫茶店かな。そうじゃない、不動産屋だ。硝子戸に客寄せの物件が貼られています。住んでみたくなるような庭付きの一軒家の写真です。

 ひなびた居酒屋。とってもいい雰囲気です。一杯飲みに入りたいが今は真昼間です。焼き物の店です。ハンガリーの陶器は緑と赤がとってもきれいです。あっ土産物屋に女どもが入った。困るな。本気になって買いあさるんじゃないだろうな。本物の刺繍が素敵なんて、江草さん、けしかけないでください》。

 ショプロンには1泊して翌日チェルゴーに向かった。途中で温泉に入る。温泉といってもどでかい池だ。建物で水着に着替えて温泉池に入る。深くて足が立たない。手摺りのところまで泳いでしっかり掴まる。あまり池の中心まで行くなと注意された。沈んだままの人がいたんだそうだ。怖い温泉だ。

 夕方7時過ぎにやっとチェルゴーに着いた。ソ連圏時代の高級別荘地で、当時は政府高官が保養のために滞在していたそうだ。おれたち夫婦の部屋は中でも豪華で、寝室、応接間、書斎のほか専用のバ―もある。10平米くらいの地下室。どうやらここで秘密の会議とか拷問とかがやられたらしい。

 8時から市長さん招待のパーティが開かれた。市幹部のかなり長い挨拶と繰り返される乾杯にいい加減うんざり。それも招待なのだから仕方がない。料理はうまいのだが、飲み物はビールだけ。腹がぱんぱんに膨れて苦しい。さんざんな2時間だった。お開きと当時に部屋へ帰って口直しのウィスキーを飲んで寝た。