戸塚章介(元東京都労働委員会労働者委員)海外旅行・イタリア北部(1999年)④ 16/09/23

明日へのうた]より転載

 フィレンツェ最後の19日は市内観光とウフィッツイ美術館。ウフィッツイは予約が必要。前日一晴さんと予約窓口に並んだのだが夕方5時からしか取れなかった。鑑賞時間が制限されるが仕方がない。早めに美術館のあるアルノ河の畔に行き、ガイドブックにそれぞれ見たい絵のある部屋番号を記入した。

 ここも大半が宗教画で、おれが見たいと思った現代画コーナーは修復工事とかで閉鎖中。がっかり。早足で展示フロアを巡り疲れたので出口のベンチで皆が出てくるのを待った。女房も含めおれ以外は至極満足そう。文化的素養の違いなのかな。美術館を出る。アルノ河にポートが一隻金色の夕陽を浴びていた。

 夕食は一晴さんと鴨川さんが苦労して探したという市内のレストランへ。皆それなりに正装してかしこまっている。おいしい料理とワインで満腹したがそれでも1人5000円ほど。日本で食うより安い。隣の席の紳士淑女と仲良くなり一晴さんがフランス語で会話。どうやらロシアのマフィアだったらしい。

 20日は移動日。フィレンツェを朝早く発ってピエンツアー、アッシジに寄って夕方ローマ。アッシジは数年前に大地震に遭い教会をはじめ多くの建物が損壊した。いまその修復途中。市内見物の最中に大粒の雨に見舞われる。ローマの市内に入ると極端な渋滞でバスが一寸刻みでしか進まない。往生した。

 夕食はホテル近くで韓国料理。久しぶりのアジアの食べ物と飲み物にすっかりご満悦。夜の街をおっかなびっくり散歩した後、11時頃からホテル10階の庶民的なテラスバーでわいわいと飲む。

 「夜の11時、ホテルのテラスバ―。カンパーイ。それではイタリア9日目の感想を皆さんで述べてもらいます。まずは大井さんから」。大井「9日目の感想?大変おいしかったね韓国料理が。なんでローマで韓国料理に感激しなけりゃいけないか、分からねえけど。すべてよかったね。風邪も治ったし」。

 「それでは小倉さんの感想を」。小倉「ビバローマ」。「それでは鴨川さん」。鴨川「今日はあったかいワインを飲みたくて、ホットと言ったらちゃんと出してくれたね」。「そのあったかいワインは何と言ったっけ」。佐藤「ヴィノ・ロッソ・カルド」。「カルドのつくり方がいいよね。変な所にグラスを突っ込むとジャーと出てくる」。大井「変なとこじゃねえよ」。佐藤「蒸気の間の管を通らせて温める装置です」。