戸塚章介(元東京都労働委員会労働者委員)海外旅行・イタリア北部(1999年)③ 16/09/16

明日へのうた]より転載

  ヴェネチアには13、14、15日と3泊した。13日は夕方に着いて夕食はピザとワイン、食後水上バスでサンマルコ広場へ。広場を一巡りしてホテルまで歩いて帰った。14日午前、午後を使って市内見学。サンマルコ寺院、アカディミア橋と美術館、グッケンハイム美術館など。サンマルコ寺院の壁面に書かれた世界最大の絵画「天国」に圧倒された。屋外カフェの昼飯がワインともどもおいしかった。

 夕食後はゴンドラセレナーデ。船着き場はサンマルコ広場の端っこ。3漕のゴンドラに分乗して運河を往く。おれたちの船に2人の楽員が乗る。アコーディオンの伴奏でカンツォーネからロシア民謡まで。おれにはちょっとうるさく感じられた。ホテルに帰ってビアンコとロッソ計6本飲んで盛り上がる。

 翌日の小型船による島巡りは昨夜のワイン酔いが残っていて嘔吐に悩まされた。ガラス工場のあるムラ―ノ島、漁師とレース編みのブラ―ノ島、何の変哲もないトルチェロ島。それぞれに教会がある。ブラーノ島の民家は色分けしてある。漁に出た漁師が帰ってきて我が家を間違えないようにするためだそうだ。

 16日はバスによる移動日。フェラーラからラヴェンナへ。フェラーラはエセランセ城のある静かな町で、ラヴェンナは海辺の避暑地だ。今は海岸に人っ子一人いない。ちょうど夕日が沈む時間を散歩したのだが、何か感傷的な気分に誘われ童謡など口ずさんだ。夜は相変わらずワインで深夜まで大宴会。

 17日の朝早くラヴェンナを発って今回の旅のメインの一つフィレンツェへ。まずミケランジェロの丘に案内され、フィレンツェの街の全景を見る。そこから街の中心部へ向かう。アルノ川にかかるポンテ・ヴェッキオ橋を歩く。橋全体が土産物屋になっている。市庁舎前の広場は観光客でいっぱいだ。

 ドゥオーモはフィレンツェの美のシンボルだ。1296年から140年かけて建てられたという。気の遠くなるような話だ。高さ100メートルの掩蓋はクーポラと呼ばれている。おれは初め壁に窓や柱を描いたダマシ絵かと誤解していたくらい絵画的な建物だ。内部も華麗。「花の聖母教会」と呼ばれている。

 翌日はバスで近郊のシェナ、サンジミアーノの街を巡る。「ワインの里に囲まれたゴシック建築の都」というのがシェナのキャッチフレーズ。街中を数十頭の馬が駆け抜ける「競馬」でも有名だ。