戸塚章介(元東京都労働委員会労働者委員)海外旅行・イタリア北部(1999年)① 16/09/05

明日へのうた]より転載

  まだ海外旅行なんて夢だと思っていた20代の頃、もし行けたら何といってもイタリアだなと憧れていた。そのイタリア旅行が実現したのが20世紀のどんづまり、おれは62歳になっていた。娘の桃子が大学を出て日本旅行に就職していた。佐藤一晴さんと新橋の支店に行きツアーの手配を頼んだ。

 日程は10月11日~24日、ミラノ、ベネチア、フィレンツェ、ローマを巡るかなり余裕のある旅程を組んだ。佐藤さんが団長、おれが会計担当で事務局長役、メンバーは印刷の鴨川さん夫妻、白戸さん夫妻、大井さん、菅野さん、新聞は小倉さん夫妻、横田さん、それにおれたち夫妻などで総勢13人ほど。

 成田を昼に立って夕方にミラノ着。空港から1時間かけてドゥオーモやアーケード商店街近くのグランドホテルへ。ホテルにチェックインしたのが午後8時。夕食後9時半頃からみんなで街に出てドゥオーモ周辺を歩く。アーケードの商店を覗いてホテルに戻り、ワインを飲んだら飛行機疲れでパタンキュー。

 12日午前は路面電車でサンタマリア・グラツィエ教会へ行き、レオナルド・ダ・ビンチの傑作「最後の晩餐」を鑑賞。その後スフォルツェスコ城を見物して城内にある市立博物館に入る。ここにはミケランジェロが死ぬ直前まで制作にあたった「ロンダーニのピエタ」像が未完のまま展示してある。

 市内のレストランで昼飯を食べた後、エレベーターでドゥオーモに上る。料金は9000リラ、約600円だ。屋上からのミラノの景観はスケールが大きくド迫力だ。しかしそれだけの話。特段の感激はない。早々に下へ降りて街を歩く。道路はあちこち工事中で、車が歩道に乗り上げて駐車している。歩きにくいことおびただしい。目の前のバス、ドアが閉まりかけたが駆けてくる女性を見てドアが開いた。

 「古い教会、古い城壁、お濠があります。水がなくて鳩が飛んでいます。教会に入りました。ステンドグラスがありませんが、しっとりと落ち着いた内部です。礼拝堂の裏側にきました。ロウソクが灯っていて男性と女性の像か浮かび上がっています。教会の外へ出ました。薄曇りのミラノです」

 明日から2泊3日で新聞九条の会主催の「福島原発視察ツアー」に行く。2年前にも福島へ行ったが、今度は関心がもう一つで、参加者が減ってしまった。3日間ブログはお休みだ。