戸塚章介(元東京都労働委員会労働者委員)海外旅行・フランス(1998年)② 16/08/10

明日へのうた]より転載

 パリメーデーはこの後、花火を振り回す男や、やおらインターをがなりだす酔っ払い等が出現して狂騒のうちに16:30頃解散地点に到着。ここは別のところから出発したFOやCFDTの解散地点でもあり、大変な群衆だ。CGT/AFの役員とやっと探したビアガーデンへ。喉をうるおして生き返った。

 「5月2日土曜日朝8時45分。昨夜雨が降ったようで道路が濡れています。寒いです。テレビの天気予報では最低気温10度、最高気温も15度に達しないということです。これからパリ市内へ向かいます。朝市に来ました。マグロがあります。1キロが68フラン。イカ、タイ、巻貝、小魚、鯵なんでもあります。

 ダリ美術館に行ってきました。35フランの入場料が安いと思えるほど凄い体験でした。ゆがんだ時計だけでなくて女性の胸や腹の部分が引き出しになっていたり、馬が空を飛んでいたり、リンカーンの絵の中にヌードの女がいたり大変奇抜な発想です。頭の中がサイケデリックになってきます。

 市内の大きな墓地です。パリコンミューンで銃殺された労働者、ロッシーニ、イブ・モンタン、モジリアニのお墓もあります。第二次大戦のレジスタンス兵士の墓とモニュメント。結構新しいです。雨がドドッと降ってきました。4時半。モンパルナスのホテルへ直行です。今夜は川崎シェフの特別料理で大パーティです」。

 「料理の出来るのを待っているところです。パリについての感想ですが、固定観念としてのパリでなく、いろんな人がいていろんな価値観かあることを痛感します。メーデーで歩いていた労働者、悩みや生活の苦しさ、喜びを素直に表していてとても親しみやすい。よそよそしい感じはありません」。

 「5月3日日曜日9時半。これからモスクへでも行こうかということらしい。今日は昨日までと違って青空が幾分見える。少なくとも雨は降らずうまくいけば晴れそうです。パリで道を歩く時には右を見て左を見て下を見なければなりません。道に犬のウンコが落ちているからです。あんなに犬が優遇されているとは驚きです。レストランやスーパーの中にも堂々と犬が入ってきますし、ウンコや小便は平気です。モスクに着きました。青を基調としたモザイク模様がきれいです。パリにいることを忘れます」。

 「午後6時、1人でホテル周辺を散歩しました。黒いジャンパーを着た胡散臭い若者のグループがいます。近寄らないことが肝心です。コートを着ているのですが寒い。路地に入ると、ピープショウという看板が出ている建物があります。ちょっと覗きこみますとピンクの照明の舞台と客席が見えました。お客はまだのようでした。