戸塚章介(元東京都労働委員会労働者委員)海外旅行・ベトナム(1996年)③ 16/07/29

明日へのうた]より転載

 23日午前はフォンガイの露天掘りの炭鉱を見学。途中、昨日の台風の中をハロン湾で泳いでいて水死したというロシア人の死体が海岸に打ち上げられているのを見た。蝋のような顔色で腹が異常に膨らんでいた。

 なんとも広大で荒々しい炭鉱風景だ。台風のため休業で人影はなかった。午後短時間のハロン湾クルージングを楽しむ。台風直後だというのに波は静かだった。ハロン湾でもう1泊して24日午前にバスで出発、ハノイへ。ハノイで2泊したのだが、記憶も記録も無い。

 旅の最後にニヤンザン新聞社を訪問した。テープに感想が入っているが、「とうとう8日間のベトナムの旅も終りに近づきました。(25日)午前中ニヤンザンへ行って、国際部副部長に会って新聞の発行状況をいろいろ聞きました。全体で20万部の発行部数ということで、経営的にもこれからが大変なようです」と味もそっけもない。26日、バンコクで飛行機を乗り継いで帰国の途へ。

 「ギャラクシーホテルで最後の荷物整理。これから空港へ行って、8日間お付き合いをしてくれたガイドのアンさんと別れてバンコクへ向かいます。この8日間で知った重要な知識としては、バイクが突っ走る、横断歩道も信号も無い道をどう渡るかということで、これは大変勇気と運動神経の要る作業です。しかしびくびくしないで渡っているとむしろ相手が気にしてよけてくれるわけでして、これは重要な発見です。

 10時半になります。かなり暑くなってきてこれからの移動の過程が思いやられます。去るとなるといささか離れがたい感情に襲われます。8月18日に日本を発って10日間の旅が終わりに近づいています。バンコク国際空港36番待合室。まあいろいろありました。猛烈台風下の鉄板だけの渡し舟は怖かったですね。ま、命を失わないでここまで体を運んでくることができたことに感謝しなくちゃ」。

 22:15発の深夜便でバンコクを発ち、27日の早朝6:10に成田に無事着陸。ご苦労さんでした。