戸塚章介 (元東京都労働委員会労働者委員)「食品一般ユニオン」の結成に期待する
10/03/11

[明日へのうた]より転載


  先週の土曜日、6日の午後に東京労働会館地下会議室で「食品関連一般労働組合(略称・食品一般ユニオン)の設立大会が開かれた。明治乳業争議団を中心に、ネッスル、三井製糖、雪印乳業、雪印食品などの労働者が参集。OBが圧倒的だが現役労働者の顔も見えた。

 食品関係の労働組合は、製造部門がフード連合、流通部門がUIゼンセンとなっていて、いずれも連合民間単産の主力組合。食品産業には多数の非正規労働者が働いているが、その働く権利や労働条件は不当に低く抑えられている。今回「食品ユニオン」が結成されたことによって、たたかう非正規労働者の受け皿ができたことの意義は大きい。今後に期待するところ大である。

 おれは、この「食品ユニオン」の結成準備の段階で、昨年暮れに「労働組合をつくることの今日的意義」と題して話をする機会を与えてもらった。おれは話の中で「団結権を構成する三つの自由」として、①組合結成の自由、②組合加入(脱退)の自由、③組合選択の自由、を挙げた。この三つの自由は、今の大企業労働組合には根本的に欠落している。

 「食品ユニオン」は、結成にあたっての「運動理念」の中で、「この労働組合は、食品に関連する全ての業種に働く労働者で構成する。パート、アルバイト、の非正規雇用も誰でも1人でも加入できる組合です。また協力組合員として二重加盟も可能な個人加盟のユニオンです」と組合の性格を明らかにしている。

 既存の大企業労働組合と地域や産別の個人加盟組合との二重加盟問題は、労働運動の組織論としていまだ手付かずの分野である。企業内組合側はもちろん二重加盟を認めない立場だが、個人加盟組合の方でも二重加盟に否定的な意見が多いように見受けられる。産別個人加盟組合としては先輩格に当たる「電機ユニオン」は規約上二重加盟を認めていない。

 閉塞状況からの出口を見出すことのできない「労使協調型企業内組合」に対抗して新しい労働運動を構築する意義は各方面で語られている。この際、二重加盟形式による組合づくりも選択肢の一つとして議論に加えていく必要があるのではないかとおれは思う。