戸塚章介 (元東京都労働委員会労働者委員)闘争史「財界テレビとたたかう」を薦める
10/03/08
今から44年前の1966年3月15日、2年前に開局したばかりの12チャンネルテレビ(現テレビ東京)で大量指名解雇が強行された。60年代は新聞やテレビで執拗かつ乱暴な組合弾圧が続いた時期。産経新聞労組が会社と平和協定を結び新聞労連を脱退、山陽新聞労組が分裂させられ、東京新聞が中日新聞に営業譲渡、とめまぐるしく情勢が動いた。毎日新聞でも会社が平和協定を提案し、その諾否を巡って執行部が総辞職の事態となった。
12チャンネル労組は、解雇通告から4年後の70年3月、16人の解雇撤回・原職復帰と1人の契約社員の契約解除撤回を勝ち取って勝利解決した。
組合勝利から今年で40年、記念日の3月11日付で一冊の闘争史が刊行された。「東京12チャンネル闘争」編集委員会による「非正規時代への伝言 財界テレビとたたかう」である。これは面白い本だ。というより凄い本だと言った方が当たっている。解雇撤回闘争に勝利しても、その後必ずしもその勝利を職場に根付かせることがなかなかできない。せっかく解雇を撤回させたのにすぐ退社する例も多い。解雇撤回から40年、組合活動でも仕事でもがんばった当事者たちの証言を記した貴重な本だ。
たたかいは、解雇者だけの問題に矮小化されなかった。下請けや派遣など非正規労働者の正社員化闘争に広がった。「ビルメン」という派遣会社から「出張」の形で編成局放送部で働いていた20歳前後の女性労働者たちの社員化が、たった1年のたたかいで勝ち取られた。「いままでの私なら辞めただろう。しかしこの1年が私を変えた。ここで辞めては道義にもとると心に誓った」「(「虹をかける乙女たち」と名づけられた)私たち25人はそれぞれの職場で生き生きと働いた。そのうちの私を含む7人はずっと働き続け、無事定年を迎えた」
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