戸塚章介 (元東京都労働委員会労働者委員)北教組幹部逮捕の意味するもの
10/03/05

[明日へのうた]より転載

 民主党・小林議員(北海道5区)の選挙事務所が北海道教職員組合から団体献金を受けた事件で、3月1日、北教組幹部ら4人が逮捕された。北教組の長田委員長代理、小関書記長、南部会計委員と、小林陣営の会計責任者である自治労道本部木村会計局長の4人で、政治資金規正法(企業・団体献金の禁止)違反の容疑だ。

 長田容疑者らは木村容疑者の要請に応じて小林議員の選挙資金として1600万円を渡している。この金は組合員に公表していないいわゆる「裏金」である。特定政党支持の組合方針がつまるところ組合幹部の逮捕という事態まで生んだわけだ。20年前、連合が発足するにあたって、「労使協調」と「特定政党支持(反共)」が加盟の条件とされた。日教組もそれに応じたわけで、こうなることは「当然の帰結」ともいえるだろう。

 組合幹部の逮捕に至った今回の事件は、特定政党支持(一党支持)路線が組合運動を腐敗させる見本のようなもの。真相解明のための徹底捜査は当然であり、組合弾圧と論じるのは筋違いである。

 一方で、この問題のマスメディアの取り上げ方、国会での自民、公明などの追及姿勢をみていると、おれには危険な雰囲気が感じられてならない。それは、本来、労働者・労働組合の固有の権利である政治活動の自由が、それ自体「社会悪」として糾弾の対象になっているからだ。

 労働組合は「労働者が主体となって自主的に労働条件の改善その他経済的地位の向上をはかる」(労組法第2条)ことを目的した運動体である。「経済的地位の向上」は企業内のたたかいだけでは実現されない。あの60年安保闘争の国鉄を中心にしたゼネストのように、政治的課題でのたたかいも当然の権利なのだ。

 特定政党支持路線からくる腐敗した選挙支援活動は、当然ながら糾弾されなければならないが、今回の事件に便乗した労働組合の政治活動全体を禁止しようとする動きには警戒が必要。休日に共産党のビラを配布して罪に問われている社会保険庁の堀越さんの最高裁判決が3月29日に迫っている。なんとしても勝たせなければならない裁判だ。