戸塚章介 (元東京都労働委員会労働者委員)抜け穴派遣法改正を喜ぶ自動車総連
10/03/02
何回か前の本ブログで「派遣法抜本改正に待ったをかけるJSGU」という記事を書いた。派遣会社の労働組合であるJSGU(人材サービスゼネラルユニオン)が、民主党有力議員と組んで派遣法抜本改正の足を引っ張っているという内容だ。その後「週間金曜日」2月26日号の「派遣労働者を裏切る民主党」という記事を読んで、JSGUは実は小物でもっと巨悪の労働組合があるということに気付かされた。派遣労働者を使い捨てにして利益をあげている自動車産業の労働組合「自動車総連」のことだ。
週間金曜日の記事はこうだ。抜け穴だらけの「労働者派遣法改正案」を答申した「労働政策審議会」は、自民党麻生内閣の委員構成そのまま。部会長の清家慶大教授は「まず旧政府案を尊重していただきたい」と切り出したという。これに勇気を得て使用者委員が言いたいことを言い、労働者委員も答申案を支持したというのだ。
そこで、労働政策審議会の労働者委員なるものをインターネットで調べてみると、情報労連、JAM、UIゼンセン、運輸労連、基幹産業労連、電力総連、航空連合など連合の主要民間単産委員長がずらり。自動車総連西原浩一郎会長もその一人。週間金曜日によれば、彼は「報告に沿った内容で早急に法案をまとめるよう発言」、「労働者保護をなおざりにしても、政策決定への影響力を維持したいという共通の利益で公労使三者が結束しているのもしれない」と指弾の対象だ。
西原会長は、09年1月の自動車総連中央委員会で「労働者派遣法」改正の動きについて、「課題はあるものの常用雇用型派遣を基本に」し、「製造業の登録型派遣を禁止する場合にあたっては、対象者の円滑な雇用移動に向けた支援措置と、そのための必要な猶予期間を確保すべきである」と発言。今年の中央委員会では、「労働政策審議会の取りまとめ内容は、昨年1月の総連中央委員会での会長挨拶の中で申し上げた見解に、ほぼ沿う内容であり理解できるものであると考える」と手放しの喜びようだ。
日本の企業内労働組合は労働者にとって最悪の存在となっている。