戸塚章介 (元東京都労働委員会労働者委員)「緊縮財政」に反対するギリシャのゼネスト
10/02/27
のんびりした国民性などといわれてきたギリシャの労働者・労働組合が頑張っている。財政危機を理由にした国の「緊縮財政」に反対して、24日、24時間ゼネストが行われた。ギリシャ公務員連合(ADEDY約30万人)とギリシャ労働総同盟(GSEE約100万人)の呼びかけによるもの。アテネなどで大規模なデモが繰り広げられ、全土で都市機能がストップする事態になった。
去年10月の選挙で政権についた中道左派のパパンドレウ政権(全ギリシャ社会主義運動・PASOK)は、EUからの財政赤字抑制要請に応えて、①年金受給年齢を2.5歳遅らせて63.5歳とする、②公務員の新規採用の中止、③賃上げ凍結、手当て削減などの措置を発表。ゼネストはこれに反発したもの。
労働組合は「市場より人間が大事」とのスローガンを掲げている。GSEEは「もしこれらの政策がすべて実施されたら、失業が増大し、わが国は大規模な景気後退に陥る」と警告。アテネ市内のデモに参加した欧州労連のモンク書記長は「あなたたちの行動は全く正当だ」と激励している。
ギリシャの国家財政が赤字を膨らませ極度の悪化状態となっていることは事実。政府の対策措置にやむを得ないと思う国民もいるはず。これがもし日本だったらどうだろう。多分、「国民みんなが我慢しなければならないのに、労働組合がストをやって反対するのは労働者のエゴだ」という式の「世論」なるものが圧倒的多数になるのではないだろうか。そもそも日本の主要労組にはゼネストなど出来る力はない。おとなしく国の「緊縮財政」措置に従うことになるだろう。
日本のように「物分りのいい労働組合」であることがほんとに国や国民のためになるのだろうか。国の富を築くのは結局のところ労働者や農民など働く階層なのではなかろうか。だとすれば、その働く階層が大事にされなければ財政再建もないということになる。それが国民主権ということだろう。
どんな困難な事態だろうが、労働組合が物を言うこと。労働者の力を示すストライキで立ち上がること、それを支持し激励することが「ルールある経済社会」の基本要件のように思う。