戸塚章介 (元東京都労働委員会労働者委員労組の「一党支持」路線が犯した誤り10/02/18
昨年8月の総選挙で当選した小林千代美議員(北海道5区)派の選挙違反が表面化して問題になっている。選対委員長代行を務めた山本広和元連合札幌地区連会長が「買収の約束、事前運動」の罪で懲役2年(執行猶予5年)の判決。続いて、北海道教職員組合が小林氏に1600万円の違法献金をした疑いで札幌地検により組合本部が家宅捜索を受けた。地検は強制捜査に乗り出す方針だという。
政治資金規正法では、労働組合が政治家個人に資金提供することを禁じている。ところが北教祖は、組合費の中から裏金をつくり、総選挙費用として小林氏に数回にわたって1600万円を渡していた。小林議員の政治資金収支報告書には北教祖からの献金の記載はなかったというから、明らかに違法承知の行為といえよう。
民主党と連合傘下組合との癒着関係は、以前の「総評=社会党」「同盟=民社党」に比べてもより強くなっている。民主党が政権党になったことでさらに拍車がかけられているようだ。日教組が組織内候補として推薦している議員の中には、横路孝弘衆議院議長、輿石東民主党幹事長代理らがいる。今回の小林議員派の事件は氷山の1角なのだとおれは思う。
労働組合が腐敗する主な原因に「一党支持」があるのではないだろうか。労働組合が政治活動を行うことは大事な役目だが、その本来の意義を忘れ、政党と癒着し堕落した結果が「一党支持」なのだ。その行き着いた先が今回のような犯罪行為。そればかりでなく、組合費から裏金をつくるという財政操作で組合員も欺くという二重の間違いを犯すことにもなっているのだ。
労働組合と政党の関係について、もう20年前になるが、ドイツ統一直前の東独印刷製紙労組幹部の話す次のような言葉がおれには印象的だった。「(組合は多くの先進的な要求を勝ち取ったが)問題はそれらの要求を実現する手段として、ドイツ社会主義統一党に依拠し、癒着したことである。その方が要求の実現が早く、確実であった。しかし、今考えれば労働組合は、組合員の意思を結集した、組合としての運動で要求の実現をはかるというのが本筋だった」