戸塚章介 (元東京都労働委員会労働者委員)世界の中で後退が目立つ日本の労働運動 12/01/27

[明日へのうた]より転載

 本日27日付『赤旗』に載った注目すべき4本の記事。

 その1=アルゼンチンの女性大統領フェルナンデスさんが25日、「失業率が過去20年で最低水準となった」と発表。同国では89年から10年間のメネム政権による「新自由主義的経済政策」で2001年の失業率が25%に達した。それを国民生活・雇用重視に転換し、ついに6.7%にまで下げることに成功。フェルナンデス大統領は「4000万人のアルゼンチン国民の利益を守る」と声明。

 その2=高田太久吉中大名誉教授に聞く「ユーロ危機とは何か」。ユーロ圏の中で経常収支が黒字のドイツ、フランスは、赤字のイタリア、ギリシャ、スペインなどに資本を輸出して利益を上げてきた。そのシステムが08年の世界金融危機で一気に崩れる。資本流入を止められ、ギリシャなどの財政破綻が表面化する。その犠牲を労働者・国民に押し付けようとしているのがEUの「緊縮財政」の本質なのだ。

 その3=欧州労連(ETUC)は25日、EU加盟国が合意を急ぐ「財政規律強化のための新協定」に反対する宣言を発した。新協定は「緊縮策を各国に強要し」「欧州を弱体化し、欧州統合への人々の支持を掘り崩し、成長を抑え失業を増やす」。2月29日には「雇用と社会的公正」を要求して「欧州行動デー」を取り組む。

 その4=日本の話。電機連合の有野正治委員長は26日、野田民主党内閣がすすめる「社会保障と税の一体改革」実現に向けて早期に与野党協議に入るよう求める発言をした。「(消費税増税などの『一体改革』を)今決めなければ将来不安が増加するばかりか、日本の信用は失墜し、国債の暴落、そして経済破たんも現実味を帯びてくる」――これが有野委員長の言い分だ。同日、電機連合中央委員会ははベア要求を3年連続で見送る「春闘方針」を決定したという。

 今朝、家の外に吊るしてある寒暖計はマイナス3度を指していた。この寒さ、年寄りには堪(こた)える。気温の低さも堪えるが、日本の大企業労働運動のお寒い状況には言う言葉もない。