戸塚章介 (元東京都労働委員会労働者委員)派遣法骨抜き修正の今国会断念と辻元清美 11/12/10

[明日へのうた]より転載

 政府は、民自公三党による「派遣法骨抜き修正案」の今国会成立を諦めて継続審議とした。7日の衆議院厚生労働委員会で採決を強行した修正案は8日の本会議にかけられるとみられていたが、委員会でみんなの党まで反対に回ったこと、国会外の抗議の運動が強まったことなどで断念に追い込まれた。

 それにしても腹が立つのはかつて「派遣法の骨抜きを許さない」と公言していた元社民党(現民主党)の辻元清美議員の変節ぶりである。12月9日号の『週間金曜日』に彼女の文章が載っている。「辻元清美の永田町航海記」というコラムだ。いま辻元は民主党政策調査会副会長なのだそうだ。

 民自公三党の派遣法修正協議に臨んだ長妻元厚労大臣は「苦渋の選択です」と苦しそうだったという。辻元も彼に同情し同調する。「長妻さんは修正協議でも頑張ったと思うが内容は自・公への大譲歩。全野党を入れて修正協議をという意見もあるが、それでは永遠に一文字も改正されない可能性が高くなる」「一歩でも前へ進めることで了とした」――これが変節を自己弁護する論理だ。

 おれも長い間の労働組合運動を通じてこの手の言い訳を何度聞いたことだろう。こうやって変節を正当化しつつ資本の側に呑み込まれていくのだ。辻元は言う。「政治力学がどんどん変わる政界の濁流の中にのみ込まれないようにふんばりつつ『少しでも良くする作戦』を積み重ねていきたい」と。カッコいいこと言ってるつもりかも知れないが、おれにはそらぞらしく空疎に聞こえる。

 修正派遣法の今国会成立断念を決めた衆院議院運営委員会で、日本共産党の佐々木憲昭議員は「(修正案は)政府案をさらに骨抜きにするものだ。一度廃案にして真に労働者を保護するものを提出し直すべきだ」と主張したという(9日付『赤旗』)。この主張には道理がある。いつか必ず道理が通る日がくる。それが政治であり、社会進歩の法則なのだ、とおれは思う。

 昨夜、毎日印刷部のOBが16人も集まって「鮟鱇鍋」を囲んで飲んだ。出てくる話題は先輩・同輩の訃報と病気の話ばかり。そういえばついこの前、一緒に旅行会をつくってあちこち旅した78歳の先輩のお通夜に行ってきた。奥さんに先立たれて1人暮らし。お風呂で亡くなっていたという。――忘年会がお開きになり外へ出たら木枯らしに震えた。風邪など引かぬよう気をつけなくちゃ。