戸塚章介 (元東京都労働委員会労働者委員)閑話休題⑱ 11/11/11
今日は11年11月11日、1が六つ続く。11月11日は昔「下駄の日」と呼ばれていたと記憶している。今はどうなのかな。あれはインクと油にまみれて輪転機を回していた頃のことだ。金がないとか、人とけんかをしたとか、体調がよくないとかが続いていても、不思議と11月11日になると問題が解決する。おれにとって「幸せを呼ぶ日」だったことがある。
11月に入ってもずっと暖かい日が続いていたのに、きょうは冷たい雨。雨の中を新松戸歯科まで行ってきた。去年の10月から1年がかりで虫歯の治療、それがやっと完了した。しかし、放っておくとまた虫歯や歯周病になるから定期的に診察に来いという。歯磨きの基本を厳しく教え込まれて帰ってきた。
ポストに『週間金曜日』11月11日号が入っていた。開いたらフランスの大統領選挙の話題が目に止まった。「党員以外にも投票権を与える史上初の試みで左翼勢力を結集させた社会党の大統領候補選出」――在仏ジャーリストの山本三春氏の報告記事だ。これがとても面白かった。
フランスでは来年5月に大統領選挙が行われる。社会党は現サルコジ大統領に対抗して自党候補への関心を呼び込むため「ブリメール・シトワイエンス」(市民予備選挙)を実施したというのだ。投票権を党員に限らず、左翼であることを宣誓して1ユーロ払えば誰でも投票できる。テレビの公開討論会では600万人が視聴し、実際に投票した市民が、第1回が270万人、決選投票は290万人にのぼつた。
おれはこの記事を読んで、フランスにおける労働組合のストのことを連想した。フランスのストライキは、組合員でなくても参加自由なのだ。ストに参加したことによって罰せられたりしない。これは、スト権が組合員であるから与えられるのでなく、労働者個人の固有の権利だという考えがあるからだ。
組織と個人というのはえてして対立的にとらえられることが多い。しかし近代社会を構成する単位は個人なのだから、組織の枠を取っ払って個人を主体に考えていく。個人の尊重という思想を物事の基礎に据える。そんなことがあってもいいんじゃないか。――などとコタツに入りながらとりとめもない瞑想にふけったのでした。ほんとに寒い。1週間後に迫ったバリ島旅行の前に風邪なんか引きたくない。暖かくして鍋で焼酎でも飲んで寝よう。本ブログの更新回数がこれで400回になった。