戸塚章介 (元東京都労働委員会労働者委員)緊縮政策抗議 ギリシャ、ポルトガルのスト
11/10/21

[明日へのうた]より転載

 19~20日とギリシャで48時間ゼネストがたたかわれ、24日にはポルトガルでゼネストが行われる予定。ヨーロッパは騒然としている。労働者は、EUやIMFが財政再建資金と引き換えに緊縮政策を押し付けていることに鋭く抗議している。スロバキアではギリシャなどへの資金援助に反対する国民運動もあり、事態は複雑だ。

 ギリシャ、ポルトガルを始めとしてイタリア、スペイン、アイルランドなどEU加盟国の財政危機が表面化したのはこの数年のこと。EU統合が進んでユーロが統一貨幣となったことが、経済力の異なる国々の矛盾を拡大したといわれている。確かにそのような要素はあるだろうが、おれはEUの将来に希望を捨てていない。何故ならヨーロッパには、歴史に裏付けられた強靭な労働組合組織があるからだ。

 ギリシャの48時間ストを指導した労働総同盟(GSEE)、公務員労組(ADEDY)、ポルトガルのポルトガル労働総同盟(CGTP)をはじめEUの労働組合は、日本のような企業別組合の連合体ではない。資本や国家権力から独立した組織である。彼らは安易な妥協はしない。ストは国を救うとの確信があるからだ。

 CGTPカルバリョ・ダシルバ議長の「この国が疲弊し、不況と失業と不公正がひろがつているときに、ストには正当な理由がある。われわれはためらうことなくたたかい、必要な行動を起こす」という言葉におれなんか痺れちまうな。いまこんな格好いい演説をする組合幹部は日本にはいない。

 ギリシャのストを報じた『赤旗』の同じ面に「フォードとの新労働協約 全米自動車労組が批准」という記事が載っている。全米自動車労組(UAW)が、①時給労働者1万2000人の増員、②4年間で1万6000ドルの一時金支給、を内容とした労働協約を結んだというのだ。

 UAWセトルス副議長は「この国の労働者は社会の不平等に不満を持っており、長年にわたって賃上げがないことやCEOの巨額報酬に不満を抱いている」と例のニューヨークウォール街から始まった「99%抗議デモ」に連帯の気持ちを表明。欧米の労働運動のレベルの高さが窺われる発言だ。