戸塚章介 (元東京都労働委員会労働者委員)東電に7400人リストラ迫る「第三者委員会」11/09/29

[明日へのうた]より転載

 本29日付『毎日』1面。「東電10年で2.4兆円コスト減」「経営委報告書案 2年半で7400人削減」――「経営委」とは政府の設置による第三者委員会で正式名称は「経営・財務調査委員会」。「東電福島第1原発事故の損害賠償財源確保に向け、東電の資産算定などを行う」ことが目的の機関。おれはしばらく前の本ブログで、委員の1人にJR東海会長の葛西敬之がいるとして問題視したことがある。

 『毎日』記事によれば、今回発表された「経営委」の報告書には「東電のグループ従業員約5万3000人(今年3月末)の約14%に当たる7400人を14年3月末までに削減すべきだと明記」されているそうだ。このリストラ策は事前に東電とすり合わせており、東電は自らの「特別事業計画」に盛り込む方針だという。

 7400人は東電グループ全体の数字で、東電本体では、現従業員3万7000人の約10%、3600人の削減となる。10人に1人は「希望退職」のターゲットになるということだ。これは酷い。

 今月6日7日の2日間、電力総連の定期大会が名古屋で開かれている。今回の大会では、長年スローガンだった「原発推進」が消えたことが特徴だったと報道されている(28日付『赤旗』)が、では原発に否定的になったかというとそうではなくて「原発を再稼動させていただくために組織をあげて取り組む」ということで、原発依存、原発維持の基本方針に変更はない。

 『赤旗』記事には触れられていないが、ネットで見ると、大会では代議員から「雇用が不安だ」との発言が出ていたらしい。労働者にとっては重大問題だ。労働組合の雇用確保の取組みが注目される。その際雇用不安の原因は何か、犯人は誰か、をはっきりさせる必要があるのではないか。そうしないと多くの国民の支持は得られない。
 
  犯人は「原発依存」の電力経営であり、それを推し進めてきた労使癒着体質であったことが明らかだ。そこのところをきちんと総括して新たなスタートを切る覚悟が問われているとおれは思う。