戸塚章介 (元東京都労働委員会労働者委員)JALの解雇は組合潰しの不当労働行為だ11/09/23
建交労から指名解雇された鈴木信幸さんの、東京地裁での和解協議が9月30日午後3時から行われる。解決へ向けての最後の詰めだ。都労委での経験からしても、和解は最後に調印するまで(下駄をはくまで)分からない。気を緩めずに和解の場に臨むつもりだ。
同じ9月30日の東京地裁。JALの客室乗務員72人の解雇無効裁判が開かれる。この日の証人にはJALの稲盛会長が予定されている。会社側弁護士や本人は「いやだ、いやだ」とごねたらしいが、裁判長の毅然とした審査指揮には逆らえない。どうやら観念して出てくるようだ。
おれは、今年1月20日付の本ブログに「日航の整理解雇は金融機関への生贄だった」という記事をアップした。稲盛会長が1月16日の記者会見で「救済方法(解雇回避)を検討させたが、金融機関などに約束した(人員削減)の数字を簡単にやめれば、信用されなくなる。(被解雇者)には申しわけないという一点だ」と発言したことを問題にして、「解雇は(JAL再建に必要な経営上の措置ではなく)金融機関へ差し出す生贄だった」と批判した。30日の裁判てもこの発言が俎上に上ることだろう。
稲盛会長は「金融機関など」と約束し、それに縛られて経営上は必要でない解雇に踏み切った。その「約束」とは何か。それは「航空連」所属の「パイロット組合」と「客室乗務員組合(CCU)」を職場から排除するということ、つまり、たたかう労働組合を叩き潰す約束だった。
JAL労働者165人の解雇の本質は、不当労働行為解雇であり、組合弾圧だとおれは思う。被解雇者の90%にあたる148人が裁判闘争に入った。つまり労働争議に立ち上がったのである。労働争議にはそれなりの歴史と蓄積された戦術の智恵がある。おれはそれを活用すべきだと考える。
国鉄の民営分割で大量解雇者が出たとき、国労は組合組織が強固であるとの認識から、一般労働争議とは別のたたかいを組織しようとした。国労の被解雇者は自らを「争議団」と呼ばずに「闘争団」と名乗った。そのスタートの認識がずっと尾を引いてギクシャクのもとになっていたようにおれは思っている。ちなみに全動労は「争議団」を結成し、各地域の「争議団共闘」に参加した。
「航空連」「パイロット組合」「CCU」はもちろん立派な組織であり頼りになる組合だ。しかし、その範囲の中だけではこの闘いは勝利できないようにおれは思う。早期に争議団を確立して地域の争議団共闘に組織参加すべきではなかろうか。