戸塚章介 (元東京都労働委員会労働者委員)「富裕者」増税を提言する欧米の富豪たち 11/09/02
ギリシャやスペイン、ポルトガルなどで、国家財政立て直しのための「緊縮財政」が強行され、国民・労働者の強い反発に遭っている。それぞれの政府は財政危機を突破するには「緊縮財政」しかないと断言するが、果たしてそうだろうか。1日付『赤旗』は、山田記者の署名記事で「経済成長こそ必要」「仏大統領 緊縮財政に警鐘」とサルコジ仏大統領の発言を紹介している。
「世界レベルで緊縮財政が広がることは、病気よりもたちが悪い。なぜなら景気回復を妨げ、景気の後退に引き込んでしまうからだ」――これがサルコジ氏の言い分。ではどうすればいいのか。その回答が意外なところから提起されている。「増税なら、われわれに」という欧州の富豪たちの主張だ。
2日付『赤旗』の小玉特派員の記事。ドイツの資産家50人が8月29日、メルケル首相に対し「財政赤字の打開策は、貧困層に不釣合いに痛手となる歳出削減でなく、富裕層への増税だ」と提言したという。フランスでも富豪16人が、政府の財政赤字削減支援のため「富豪らを対象にした特別貢献税の創設」を提唱。イタリアの自動車メーカー「フェラリー」のルカ・モンテゼーテロ社長も「(財政赤字克服の財源は)富裕層に求めることから始めなくてはならない」と新聞紙面で語った。
アメリカの巨大な投資持ち株会社「バークシャー・ハサウェイ」のCEOウォーレン・パフェット氏は「ニューヨークタイムス」紙に「超大金持ちたちを甘やかすのはやめよ」との論文を寄稿し、自らを含む富豪への増税を政府に求めている。米大企業トップと労働者の賃金格差は325倍だという。
『赤旗』記事によれば、ドイツの資産家レームクヘル氏は「(われわれの)資産の多くは相続したものだ。われわれは必要以上の金を持っている」「貧富の格差拡大を阻むため手を打たなければならない」と語っている。日本人から見るとずいぶん思い切った発言に思えるが欧州ではそんなに驚くことではないんだろう。なんか「文化の差」のようなものを感じるのはおれだけだろうか。
これら欧米の金持たちはもちろんのこと「資本主義」を否定しているわけではない。むしろ資本主義をこれからも維持・存続させろために発言しているに過ぎない。しかし、日本の経営者たちとは「度量」も「度胸」もけた違いなんだよな。