戸塚章介 (元東京都労働委員会労働者委員)労使一体で原発を推進する電力業界11/08/18

[明日へのうた]より転載

 8月17日付『赤旗』1面トップ。「労使一体 原発推進」「民主 電力総連が9100万円」「07年~09年 新増設へ効果抜群」の見出し。「東京電力など電力会社の役員が個人献金を自民党側に組織的に行う一方、労組の政治団体は民主党側に献金――。電力会社が労使一体となって政界に影響力を強め、原発を推進してきた構図が本紙の調べで浮き彫りになりました」

 おれは本年5月14日付の本ブログで「原発推進の二人三脚 東電の労使癒着」と題して、電力労使が共同で原発推進に動いてきたことを指摘した。あの時のネタは「週間金曜日」だった。今度の『赤旗』記事は主に、電力総連が届け出た、07年~09年の「政治資金収支報告書」の調査に基づいている。

 電力総連出身の国会議員は、小林正夫(元東電労組副委員長・厚生労働政務次官)と藤原正司(元関西電力労連会長・前参院経済産業委員長)の両氏(両氏とも民主党参議院比例代表議員)。組合員から組合費とは別に徴収した資金(「週間金曜日」によれば1人月500円)で運営されている「電力総連政治活動委員会」はこの間、小林氏に4000万円、藤原氏に3300万円を献金しているという。

 他には、中山義活経済政務官500万円、吉田治衆院議員500万円、川端達夫前文部科学大臣32万円、近藤洋介衆院議員16万円、江田五月法相5万円、松本剛明外相5万円など。川端、近藤両議院は民主党「原子力政策・立地政策プロジェクトチーム」の座長と事務局長代理である。

 全国9電力会社は日本経済に多大な影響力を持つ。資力の面でも人的な面でも、戦後一貫して財界を牛耳ってきた。労働界でも同じように、戦後の労働運動を主導した電産が、いち早くたたかいを放棄して電力総連になり、常に右翼的労働運動の中心を担ってきた。その運動基調は「反共と労使協調」である。

 「原発」の思想は「わが亡きあとに洪水よ来たれ」である。地球の未来、人類の未来を「目の前の繁栄」のために悪魔に売ってしまう。この思想は労働組合の理念とは絶対に相容れないはずだ。労働組合は、未来を切り開く存在だ。「原発推進への労使一体」は日本の右翼的労働運動の恥部をさらけ出したものだとおれは思う。