戸塚章介 (元東京都労働委員会労働者委員)チリで大規模スト 鉱山事故からもうすぐ1年 11/07/13
チリの鉱山で落盤事故があり33人が地下700メートルに閉じ込められた事件から丸1年になろうとしている。昨年8月5日から69日間がんばって10月13日に全員が救出された。33人は、一時は「英雄」視されたか、時が経つにつれだんだん忘れ去られようとしている。
事故後33人中14人が「肉体的、精神的後遺症に耐えられない」として「年金支給開始の前倒し」を要求して国と雇用主に訴えたということがあったらしいが結果はつまびらかでない。
本日13日付『赤旗』に「チリ銅山4.6万人スト」という記事が載っていた。チリの国営企業コデルコ(チリ銅公社)の銅山で11日に労働組合が24時間ストをうった。労働者は、①公社が計画している銅山の統廃合計画によって人員削減をしないこと、②労働者が経営に今まで以上に関与できるようにすること、などを要求している。
このストには1万6000人の正規労働者と3万人の非正規労働者が参加。巨大な横幕を先頭に整然とデモをする労働者の写真。ひげ面のスト指導者の振り上げた拳が断固とした決意を示している。
チリにおいて鉱山業は国を支える主要産業だ。ところがそこで働く労働者の労働条件は劣悪で、昨年の事故のような命の危険と背中合わせ。それは零細な民間企業が圧倒的に多いからだ。その中でチリ銅公社は国営企業として鉱山労働者の権利と労働条件を支えてきた。その国営企業の民間移行を策していることへの労働者の怒りが今回の大規模ストに結集したのだと思う。
日本でも1980年代以降、行政の民間下請けが進行し、国営事業だった国鉄、電通、タバコ、郵便などが次々に民営化された。その結果どうなったのか。利益第一主義が幅を利かし、国民へのサービスや「安全」はないがしろにされつつある。働く現場でもJR争議に示されるようにむ労働者の権利が侵害されている。
チリ銅公社の経営トップが「改革を否定する労働者のストに未来はない」と言ったというが、同じような脅しの言葉を日本でも聞いた。チリ鉱山労働者のたたかいに敬意を表する。