戸塚章介(元東京都労働委員会労働者委員)

無権利、過重労働に挑むコンビニ・ユニオン 19/04/05

明日へのうたより転載

 久々に労働組合が存在感を見せた。コンビニの24時間営業の見直し問題である。「セブン『24時間』見直し」「店の経営環境で柔軟判断」(5日付『毎日』)。「『各店の経営環境は大きく異なるので、営業時間についても柔軟に対処したい』。東京都内で会見した永松新社長は、これまでFC店に一律求めてきた24時間営業を、各店の経営環境に応じて柔軟に見直す意向を示した」。

 今年2月1日から東大阪のセブンFC店が人手不足を理由に午前1時から6時まで自主的に店を閉めることにした。これに対してコンビニ本部は「24時間営業の契約になっているので認められない。契約を解除する」と脅した。この問題でコンビニオーナーでつくる「コンビニ加盟ユニオン」が2月27日、時短営業の条件を協議するを団体交渉を申し入れたが、本部側はこの申し入れを拒否した。

 しかし「これをきっかけに、24時間営業の是非について社会的関心が高まり、経済産業省が人手不足に対する行動計画を大手コンビニに要請するなどの事態に発展した」(『毎日』)。労働組合が動き出したことで同じ人手不足と過重労働に苦しむオーナーたちが営業短縮の声を上げ始めた。

 3月になると、労働組合の要求と世論に押される形でセブン本部が「時短営業の実証実験を実施する」と公表し、21日から直営店10店舗、FC2店舗で実験を開始した。この動きは急成長を支えてきたコンビニモデルをどこまで刷新できるかという試金石となり、ついに経営陣の交代に発展した。

 4月4日、セブン社長の古屋一樹社長が代表権のない会長に退き、永松文彦副社長が昇格する人事が発表された。最低賃金引き上げ闘争をしている若者集団「エキタス」はツィッターで「ついにトップの人事まで動かしたね」とコンビニ・ユニオンを激励している。嬉しいエールの交換ではないか。

 それにしても情けないのは労働者の味方のはずの中労委だ。コンビニ・ユニオンが活躍している最中の3月15日、こともあろうに「コンビニオーナーは労働者でない、従ってコンビニ・ユニオンは労働組合でない」という命令を出したのだ。何を考えているんだろう。社会の動きへの逆行だ。

 労働組合の地盤沈下が言われている今日、コンビニ加盟ユニオンの存在感が光っている。既存のナショナルセンターや産別組織が学ぶべき点が沢山あるように思う。ともにがんばろうではないか。