戸塚章介 (元東京都労働委員会労働者委員)警察官の参加禁止命令の出た南ア公務員スト 10/08/28

[明日へのうた]より転載

 28日付の『赤旗』に迫力のある3段の写真が載っている。「賃金引上げなどを要求しストライキに入った南アフリカ共和国の公務員労働者=26日、ヨハネスブルグ(ロイター)」。人差し指を立てて大きな口を開ける青年、握りこぶしで正面を睨む中壮年。労働者の熱気が伝わってくる。

  一週間前から無期限ストに入っている公務員労働組合は、26日、全国主要都市で数万人のデモ行進。学校の閉鎖や病院での診療制限が起きている。賃上げ8.6%、住宅手当1000ランド(1万2000円)の要求に対し7%、700ランドの回答はストに入って一週間しても変わっていない。

  南アの最大ナショナルセンター南ア労働組合会議(COSATU)は、これまで同盟関係だった与党・アフリカ民族会議(AMC)と断絶もありうると警告している。既に賃上げを勝ち取っている南ア鉱山労働組合(NUM)は、公務員ストに連帯して9月2日にストを構えている。

  この南アフリカの公務員ストだが、27日付『毎日』は『赤旗』とは違う角度からの特派員報告を載せている。「南ア公務員スト 警察官参加禁止」「裁判所が命令」の見出し。「裁判所は26日、警察官のストへの参加を暫定的に禁止する命令を出した。ストに参加した場合、解雇もありうるとの命令で、治安悪化や混乱を抑えるねらいがあるとみられる」。病院で勤務しようとした医師・看護師が阻止されたり、暴力を振るわれたりしているという。

  警察官のスト参加を禁止することが問題になっているということは、今度の公務員ストにそれだけ多数の警察官が参加しているということだろう。――振り返って日本はどうだ。公務員が公然とストをやれば刑事罰を受ける。いわんや警察官がストをやるなんて想像もできない。こと労働者の権利ということに関しては、日本は南アフリカより後進国ということになるのではなかろうか。