戸塚章介(元東京都労働委員会労働者委員)

稲刈りで汗を流した一日 18/09/01

明日へのうたより転載

 9月1日土曜日、大山千枚田の稲刈りに行ってきた。おれが初めてこの棚田へ行ったのは2002年5月の田植えだったから、もう16年前になる。あの頃は60代半ば、若かったよな。裸足で田んぼに入り腰を曲げてちゃんと苗を植えられた。今年の田植えは田んぼの畔から見学とカメラ専門。衰えたな。

 さて今年の稲刈り、天気が心配だった。早朝6時半に集合場所まで女房の車で送ってもらった時点では、黒い雲が空を覆い今にも雨が落ちてきそう。豊友会の仲間の運転でまず国道16号へ。穴川で高速に入り、市原サービスエリアでトイレ休憩。鋸南保田で高速を降り、長狭街道を一路大山千枚田へ。着いたら9時ちょうどで、心配された空は晴れ間が見えてきた。そのかわりむっとする蒸し暑さだ。

 メンバーは大人9人と小学生低学年2人の計11人。例年より5割り方少ない。そのため「81歳86キロで腰をかがめることのできないおれ」も戦力にならざるを得ない。のこぎり鎌を手に草履履き姿で黄金色の稲穂の中に勇を鼓して入り込む。無理な姿勢で稲を一株掴みグサッと刈る。なんとか刈れた。

 稲刈りというのはもちろん稲を刈るのが主目的なのだが、刈ったらそれで終わりではない。稲束を縄で縛り稲架へかけるまでが必須の仕事だ。その稲束を縛る作業が難しい。根から15センチのところへ縄を巻き、ぐいと両手で締める。締め方がゆるいと稲架にかけたときばらけてしまう。力いっぱい締めたままで縄を捩じる。捩じったら一回りさせてたん瘤をつくり、きつく縛った縄の左下から捻じ込んで完成だ。

 正午15分前に作業が終わり、稲架を背景に全員揃って記念撮影。一つ一つの稲束は乱雑だが、稲架にかけてみると整然として見事な出来栄えだ。今年は酷暑のせいか稲穂か軽い。例年の半分くらいの出来じゃないのかな。これから脱穀して配分があるが分量はあまり期待できそうもない。

 お昼は棚田を管理するクラブハイツで全員カレーライス。わが豊友会、大人どもは缶ビールにお酒も。運転手たちの恨めしそうな顔を横目にのどを潤した。おかげで帰りの車でぐっすり。ま、年に免じて許してもらおう。高速を降りて国道16号を走り、八千代のあたりで大粒の雨がフロントガラスに当たる。松戸に近くなる頃は雷を伴って猛烈な雨。ああ稲刈りの最中でなくてよかった。

 稲刈りの一日はこれで終わりではない。参加しなかった人、できなかった人を加えて公民館の一室で「反省会」。時折ザーッとくる雷雨を肴に大いに語り飲ん盛り上がったのでした。