戸塚章介 (元東京都労働委員会労働者委員)2年連続の人事院「マイナス」勧告 10/08/11

[明日へのうた]より転載

 人事院が2年連続で賃金引下げ勧告を出した。給与を0.19%、一時金を0.2ヶ月分それぞれ引き下げるというもの。これにより公務員の年収は94,000円の減となる。これに対して連合と全労連、公務労組連絡会がそれぞれ批判の声明(連合は事務局長談話)を発表した(11日付『赤旗』)。

  連合=「民間実勢を反映したものとはいえ、2年連続の引き下げであり、組合員の生活に与える影響は大きく、極めて不満」「内需拡大の必要性が指摘されているにもかかわらず、勤労者所得が低下し景気や地域経済をさらに停滞させていくことは必至」

  全労連=「50歳代後半の賃金を抑制した今回の措置は年齢差別ともいえるもので、断じて容認できない」「(公務員の賃下げは)580万人の労働者に直接影響し、地域経済にも多大な影響を及ぼすことから、デフレ経済の脱却のためにも、政府に勧告の実施見送りを含めた検討を求める」
  公務労組連絡会=「政府の人件費削減方針に追随する2年連続の『マイナス』勧告に怒りをもって抗議する」

  海を渡ってアメリカの話。――オバマ大統領は4日、AFL・CIOの幹部を前に「企業は、労働者にましな給料を支払い、まともな待遇をし、尊厳をもって対応してこそ、より強くなれる」と演説。「長引く不況で、労働者世帯が厳しい生活実態にあることを指摘」「医療保険制度改革などで、労働者の生活を重視する政策を採用してきたと強調しました」(6日付『赤旗』記事)。また大統領は、労組の団体交渉権を拡大する「被雇用者自由選択法」の成立にも意欲を見せた。

  人事院勧告に対する連合、全労連声明を読むと「不満」や「怒り」は感じられるものの肝心の行動提起が見当たらない。アメリカの労働組合は、GMの倒産騒ぎのときに示されたように国や企業の事情を忖度せず頑固にたたかう。その辺が、日本政府と米大統領の対応の差になっているように思えるのだが。