戸塚章介 (元東京都労働委員会労働者委員)「引きこもり」の若者が増えている 10/07/26

[明日へのうた]より転載

 「引きこもり」の若者が増えているようだ。内閣府が24日に発表した調査報告によれば、全国の15~39歳のうち自宅に閉じこもってほとんど外出しない人が推計で69万6000人もいるそうだ(25日付『毎日』)。

  「自室からほとんど出ない」「家から出ない」「近所のコンビになどには出かける」――これらは狭義の引きこもりと定義され推定23万6000人。これに「自分の趣味に関する用事の時だけ外出する」を足した広義の引きこもりが69万6000人となる。引きこもりになった原因のトップは、「職場になじめなかった」と「病気」が23.7%で並んでいる。「病気」というが、おれにはうつ病などの神経性のもののような気がする。

  1950年代後半から60年代にかけての、おれたちの青年時代にはすくなくとも社会問題になるほどの「引きこもり」現象はなかった。若者は群れているのが普通だった。安保反対のデモや集会もそうだったが、うたごえ喫茶が大はやり。おれは居酒屋で友達とスクラム組んで「民族独立行動隊」や「インターナショナル」を歌った。

  労働組合には次々と青年部がつくられた。スト態勢になると「青年行動隊」と名前が変わって社前のピケや座り込みで気勢を上げた。――いま、毎日労組に青年部はない。新聞労連青年婦人協議会(青婦協)も改組して「青年」が姿を消し「女性部」となった。

  昔日のうたごえ喫茶に代わり今はカラオケ。うたごえはみんなで合唱したが、カラオケはマイクを一人で握る。ここからは連帯の感情は沸いてこない。引きこもり予備軍だ。おれは、このようなことになった主要な原因は、労働組合の中に青年部がなくなったことではないかと思っている。無論、労働組合運動に魅力が見出せない、青年の組合離れがその根本要因なのだが・・・。いま、青年ユニオンなど生き生きとした取り組みも生まれつつあるが、民間大企業や公務員職場の労働組合の中で新しい青年部活動をどう組織していくか、そこに「引きこもり」対策の鍵があるように思われる。