戸塚章介(元東京都労働委員会労働者委員)

望月記者の話を聞いて思ったこと 18/02/04

明日へのうたより転載

 昨日久しぶりに都内へ出て大勢の人に会って、帰りには市ヶ谷の「素材屋」で酒を飲んできた。帰宅は10時半、酔いが醒めて凍えるように寒かった。もう女房は寝ていたの1人でテレビをみながら飲み残しの赤ワインを空けて寝た。つまみは冷蔵庫の隅から引っ張り出したとろけるチーズ。結構いけた。

 昨日の会場は市ヶ谷の(というより麹町の)エデュカス東京。そう言えばちょうど1年前、主催者も同じくJCJとマスコミ九条の会だった。市ヶ谷からの坂道を登っていて腰が痛くなり、それがほぼ1年続いた。最近やっと痛みを感じないで歩けるようになった。そんなこと思い出しながら会場へ向かった。

 エレベーターが7階に上って驚いたね。超満員で入り口まではみ出している。通路に人が座っている。もう今日の講演者の1人中野晃一さんがしゃべっていた。人の迷惑も考えず最前列まで無理矢理。やっと一つ空いている席を見つけた。顔見知りのマスコミの仲間の間に腰を下ろせてほっとした。

 中野さんの約1時間の話はとても実践的で役に立つ。基調が「個人の尊重」だから運動内部の考え方の違いをあまり気にしない。違いを理由に立ち止まることは安倍政権を利するだけだ。ということで例の「立憲的改憲論」への批判もほどほど。「市民連合が選挙で統一候補を擁立するにしても真面目に考えていたらやっちゃあいられないことが毎日起こる。裏切りや野合が日常的。気にしてたらきりがない」。

 もう1人の講演者は東京新聞社会部記者の望月衣塑子さん。菅官房長官の記者会見で名を馳せてこのところあちこち引っ張り凧だ。機関銃のような早口だが聞きとりいい。おれは最前列なので彼女の唾が飛んできそう。話に一定のズムがあるので、目をつむっていたらしばらく眠ってしまった(失礼!)。

 話のテーマは「権力側が隠そうとすることを明るみにだすこと」。森友学園疑惑の追及とリアクション。その一部始終がド迫力で語られた。しかし内容的には既に知られていることばかりで、新しい驚きの事実はない。記者クラブ制度への疑問も出された。例えば官房長官への質問のやり方について他の記者から横やりが入ることもある。相変わらず「浮いた存在」と自分を見つめることも。

 おれは望月さんと言う記者の話を聞くのは初めてだ。元気もいいし、頭の回転も速い。しかし彼女が今のメディアの代表的騎手としてもてはやされることへの疑問も感じた。それは彼女の中に組織的なたたかいという概念がゼロだという点だ。東京新聞には新聞労連に加盟する少数組合がある。望月さん、ぜひ加入を!