戸塚章介(元東京都労働委員会労働者委員)

戦争に奉仕する「労働」づくりはノ―だ 18/01/03

明日へのうたより転載

 暮れの30日にやってきた孫たちが、元日の夕飯を食べて帰っていった。孫は今年小5と5歳になる。いつまで相手できるかわからいけど「じいじが好き」なんて言われるとこちらが生きている喜びを感じる。腰と足の痛みがだいぶ軽減した。孫たちのためにもおれでできる平和への取り組みをやる年にしたい。

 平和への取り組みと言えば当面、安倍政権の改憲策動とのたたかいが焦点になる。2年後に憲法を変える国民投票となるかも知れない。幼時に戦争というものを体験した世代として、肉声で戦争反対を発言していかなければならない。おれはそういう意味を込めてこのブログで「爆風」を書いているつもりだ。

 この通常国会では「憲法」とともに「労働」も激しいせめぎ合いになるだろう。九条を変えて戦争をできる国にするには労働のあり方をそれに合ったものにする必要がある。戦前戦中、日本では労働組合も労働運動も根絶やしにされたしまった。「労働」は戦争に奉仕する目的にのみ絞られた。

 官製春闘などというのも労働組合無用論の一里塚だとおれは思う。残業代や、裁量労働や、過労死対策や、雇用形態など働き方に関することはすべて国のお仕着せ。労働者の生殺与奪の権限は国が持つ。労働者の権利だとか、労働者の団結だとかいう奴は雀の涙の金銭で企業から排除する。それが狙いだ。

 狙いを定められている労働組合側の現状はどうか。昨年の総選挙を前に民進党が分裂したが、おれは近い将来連合が分裂すると見ている。分裂だけならいいが下手すると消滅なんてことになりかねない。去年暮れに発表された労働組合組織率は17.1%だが、この組織率を支えているのは大企業の組合なのだ。

 鉄鋼、造船、電機、自動車、流通などの大企業には、正社員全員加盟の労働組合がある。入社すると自動的に組合員となるユニオンショップ制のためだ。組合費も会社が一括徴収して組合に渡してくれる(チェックオフ)。今はその方が国や経営者に都合がいいから組合の面倒を見ているだけで、もう組合なんか要らないとなれば、ユニオンショップもチェックオフもなくすことが可能だ。そうすれば組合全滅なのだ。

 もちろんそんな組合ばかりでなく、きちんと自主的に運営するたたかう組合もある。しかしそういう組合には厳しい制裁がかけられる。つい最近の話だが、長崎にある九州商船という離島航路の船会社の労働組合がスト権を立てたら「スト中止」の仮処分申請が会社から出された。堂々たる憲法違反の申請だ。結果は組合の要求が通ってスト中止になったが、恐ろしい世の中になりそうだ。

 おれは平和を守るたたかいも労働組合を守るたたかいも今年あたりが正念場だと思っている。