戸塚章介 (元東京都労働委員会労働者委員)力士の労働組合結成を提案する 10/07/11

[明日へのうた]より転載

 大相撲名古屋場所が今日から始まる。大関琴光喜の野球賭博発覚から始まって、一時は名古屋場所の中止かと心配されたがなんとか開催に漕ぎつけたというわけだ。しかし、NHKは実況中継を取り止めにするし、天皇賜杯や総理大臣杯の辞退など混乱は続いている。

  相撲界は、かつての八百長疑惑から、新弟子死亡事件、朝青龍暴力事件など不祥事が絶えない。その度言われるのが「国技」という言葉。国技だからモンゴル出身の力士が優勝しても君が代を奏でる。おれはそもそもこの「国技」てやつが気に入らぬ。プロスポーツとしてはなかなか魅力があるのだから、国技などと肩意地張らずにもっと自由な雰囲気でやっていけばいい。

  今回の野球賭博事件では「相撲界の閉鎖性」が問題になっている。一般市民の生活感覚からは、ずれた生活が力士には求められる。おれは、ここで一番問題になるのは力士の人権だと思う。新弟子死亡事件も、相撲部屋の中には力士の人権など無に等しいことが原因だった。それはちょうど、大企業の門を入ると憲法や労組法が通用しなくなるのと同じなんだとおれは思う。

  力士の人権は力士自身が立ち上がらなければ得られない。お手本は「プロ野球選手会」だ。「プロ野球選手会は、1985年、都労委から労働組合の資格を認められ、これにより社会的に認知されることになった。その後、2003年にはストライキもやった。今でもいろいろ問題はあるだろうが、移籍の自由、セパ交流戦など獲得したものは多い。なによりも選手自身が球団の所有物意識から人間として自覚したことの意義が大きい。

  都労委がプロ野球選手を労働者と認定したように、力士も労働者であることは認められるはずだ。閉鎖社会の打破と力士の人権を守るために、おれは力士の労働組合結成を提案する。