戸塚章介(元東京都労働委員会労働者委員)

しかとご覧あれ!希望の党の運命やいかに 17/11/11

明日へのうたより転載

 希望の党の共同代表選は、対立候補の大串博志氏を39対14で制した玉木雄一郎氏が当選した。「希望共同代表玉木氏」「分裂回避が課題に」(11日付『毎日』)。「憲法改正や野党連携を巡る玉木、大串両氏の隔たりは大きく、党内での路線対立は続きそうだ。分裂含みの党を玉木氏がまとめられるかが課題となる」。

 玉木共同代表は1969年生まれの48歳。09年に民主党から出て初当選、民進党幹事長代理などを務めた。その玉木氏、共同代表が有力視される中、11月10日付の『週刊金曜日』でインタビューに応じている。聞き手は『岳南朝日新聞』元争議団の片岡伸行さん。エッセンスのところを拾ってみる。

 片岡「希望の党は野党なのか自民・公明政権の補完勢力なのか」
 玉木「明確に野党です。われわれは安倍一強の自民・公明政権を倒すために合流しました」
 片岡「戦争法と9条改憲を容認するかどうかがポイントですね」
 玉木「一部メディアが(希望の党は)安保法制容認と言っていますが『安保法制については憲法にのっとり適切に運用する』ということです。小池代表も『9条への3項追加は容認しない』と言っています」

 片岡「希望が安倍改憲に協力するようなことになれば『排除』発言のときのように急速に国民の支持を失い、希望自体が空中分解する可能性もありますよ」
 玉木「安倍政権を利するようなことはしないということだけはお約束します。それでは野党が分裂した意味がない。(今回選挙の)得票率を見ても、すでに野党による政権交代の準備はできているのです」

 玉木氏の言う「野党による政権交代」の論拠はこうだ。まず議席は、立憲、希望、無所属で120超、これは郵政選挙時の民主党110より多い。比例区の得票率は自民の33%に対し、立憲(20%)と希望(17%)を合わせれば37%にる。――ま、計算はその通りだが単なる数合わせではねえ・・・。

 玉木氏は「安倍一強政治許すまじ」「われわれは安倍政権を補完する改憲勢力ではありません」と強調し、政策の柱を「現実的な外交・安保政策」「格差・貧困を是正し中間層を豊かにする経済政策」「情報公開を徹底し税金の無駄遣いをなくす」の3点におくという。この政策を見る限り「安倍一強政治」とどこが違うのか分からない。おれは片岡さんの言うように早晩化けの皮が剥がれて「空中分解」する運命にあると思うのだが。