戸塚章介(元東京都労働委員会労働者委員)

松戸伊勢丹の閉店と総選挙 17/10/20

明日へのうたより転載

 松戸市で唯一のデパート伊勢丹が来年3月で閉店するという。開店して何年になるんだろう。30年は超えるだろうと思う。おれの洋服のサイズはスーパーでは揃ってないので、ちょっと割高だが伊勢丹5階のラージサイズコーナーで買っていた。松戸駅前のマンション住まいの長女は超お得意だった。

 うちの女房も伊勢丹のなんとか会員でカードを持っている。2,3日前、閉店とカードの件でお知らせ手紙が来た。朝飯の時、なんで閉店なのかなと話題になった。おれが「高度経済成長時代のいわゆる中流層がいなくなったせいじゃないかな」と言うと女房も「そうかもね」と頷いていた。

 いつ頃かな、「勝ち組」「負け組」なんて言葉流行ったことがある。派遣斬り、ワーキングプアも社会現象になった。要するに貧困と格差の時代が来たんだよな。一部の超金持ちと貧困層に社会が二極化して中間がなくなった。お客をたくさん呼ぶのは100円均一店と高級ブランド店というわけだ。

 デパートだけではない。飲み屋の世界もそうだ。小料理屋や割烹というちょっと小綺麗で、一回の飲み代が5000円程度という店が見当たらなくなった。大量仕入れ、大量販売、安価強調のチェーン店か巷を席捲している。昔、トリスパーの上にサントリーバーというのがあってその上に銀座のバーやクラブがあった。下から上まで継続的につながっていた。それが今は下と上は断絶している。

 新自由主義というのは結局競争社会ということになる。がんばれば上に行けるががんばらなければ脱落だというが、社会の仕組みはそんなに単純ではない。個人のがんばりなんかたかが知れてる。しかもがんばった挙句に過労自殺に追い込まれる。人をがんばらせておいてその成果を吸い上げている連中が必ずいる。例えば竹中平蔵だ。こいつらが中流を消滅させデパートを閉店させた。おれはそう思っている。

 3日後に迫った総選挙投票日。雨続きで選挙運動も大変だ。ご苦労さん。この選挙、憲法問題も争点として大事だが、格差と貧困、ワーキングプアの問題も忘れてはならないと思う。「働き方改革」などと称して労働者を雑巾のように絞ろうとしている連中を絶対に勝たしてはいけない。

 お昼、やっと雨が上がったようだ。22日の投票日には鴨川まで枝豆もぎに行かねばならないので、これから不在者投票にでも行ってこようかな。それにしてもどうして、おれのブログに安倍首相の顔があるんだよ。