水久保文明(JCJ会員 元毎日新聞労組書記 千代田区労協事務局次長)
初の裁判員制度判決 09/08/16
「ヘボやんの独り言」より転載 http://96k.blog98.fc2.com/
初の裁判員制度判決
東京地裁で8月3日から始まった初の裁判員制度による裁判の判決が、6日に言い渡されました。4日間の審理を経て出された判決は、懲役15年でした。専門家によれば、この種の殺人事件の判例は、懲役12年から15年程度といわれており、順当といえばそうでしょう。
この4日間の動きを見てきましたが、釈然としないものが残りました。一つは、メディアの取り上げ方です。NHKは「同時進行 裁判員裁判」として特集的に取り上げ、この4日間、特設スタジオも準備したようです。動きを逐一伝え、新聞も、裁判員の発言などを一問一答にまとめるなどしていましたが、「そこまでやるのか」と不快感さえ覚えました。裁判員制度導入後、初めてのこととは言えメディアがはしゃぎ過ぎた、の観は免れませんでした。
二つ目は、懲役15年を決めるに当たって尋問の時間が実質3日間で良かったのか、という問題です。任命された裁判員がその事件について熟知しておれば別ですが、素人です。3日間のやりとりだけで判断を下すことが出来るのか、疑問です。弁護人も対策を練るには、時間が少なすぎるのではないでしょうか。結果的に、検察側主導の判決になってしまったと言えます。
三つめは、「三審制」の意義が貫徹されるだろうかという疑問です。地裁で懲役15年が言い渡されたわけですが、二審でも三審でもこの判決が維持されるのではないか、という危ぐを禁じ得ません。今回は懲役刑でしたが今後、死刑判決が出た場合「裁判員の判断が入っているから」とそのまま維持されることはないでしょうか。
四つ目は、被害者や被害者家族のプライバシー問題です。これまではメディアはほとんど取り上げませんでしたが、裁判員制度になったことで、弁護側の主張も公表せざるを得ませんでした。弁護側の主張には、被害者やその家族にも落ち度があったのではないか、というものが含まれ、それは結果としてプライバシーが暴かれることになります。
五つ目は、今回は有罪を前提にしたものでしたが、被告が行為を否定している場合はどうなるでしょうか。「そういう事件は裁判員には扱わせない」ということもあるようですが、だとしたらそれもまた、問題だと思います。調書の段階で是認しても、裁判になったら否認することがあるかも知れません。その場合の対策は考えられているのでしょうか。
裁判終了後、裁判員の顔がテレビに映し出されました。これはいいのだろうかなど、まだまだ疑問はありますが小ブログで以前、指摘した問題が浮上したように思えてなりません。ご意見お聞かせください。
※夏休みに入りますので、しばしお休みさせていただきます。
★脈絡のないきょうの一行
酒井法子の出頭で芸能界の覚せい剤汚染を指摘する人も。徹底的に洗い出すべし。