水久保文明(JCJ会員 千代田区労協事務局長 元毎日新聞労組書記)戦争と共謀罪③止 17/02/06

「ヘボやんの独り言」より転載 http://96k.blog98.fc2.com/

 共謀罪は、言論・結社規制そのものである。戦争を進めようとする者にとって、戦争反対を唱えるものは邪魔者でしかない。それを排除する仕組みが共謀罪だ。テロ対策という名目であるが、それならば現行制度で十分ではないか。

 政府は対象を絞ると言い出した。公明党はそれを前提に法案を容認するという。公明党は過去について学んでいない。戦前の治安維持法がいかなるものであったか。創価学会の先達・牧口常三郎、戸田城聖らは治安維持法違反で検挙され、牧口は巣鴨刑務所で獄死している。普通の庶民が、宗教を広げ平和を口にしただけで投獄されたのである。

 この種の法律はいくらでも拡大解釈できる。軍機保護法も同じだった。この法律を作るにあたって、当時の国会は「軍事上の秘密を知った者だけを対象とする」という付帯決議をつけた。しかし、元北大生・宮澤弘幸に見られるように秘密でもなんでもないものを話したことをもって、検挙し15年の刑に処したのである。

 過日、「stop秘密法共同行動」の会議が開かれ、共謀罪反対運動の進め方について議論した。スローガンについて『合コンでも共謀罪』とすることにした。この項の冒頭に述べたが、当局がその気になれば夫婦の語らいも、酒場での議論も共謀罪になるのである。この法律は明らかに思想弾圧であり、戦争に反対する勢力を排除するもの以外の何ものでもない。

 「終末時計」が30秒短くなった。トランプ米大統領就任がその理由であるが、日本もそれに加担しているように思えてならない。共謀罪の座視はゆるされない。

 戦後間もなくドイツの牧師、マルチン・ニーメラさんが戦争を起こしたことを悔いる意味から短文を発表した。実に的を射ている。この言葉を改めて噛み締めたい。

共産党が弾圧された。
私は共産党員ではないので黙っていた。
社会党が弾圧された。
私は社会党員ではないので黙っていた。
組合や学校が閉鎖された。
私は不安だったが、関係ないので黙っていた。
教会が弾圧された。
私は牧師なので立ち上がった。
そのときはもう遅かった。

★脈絡のないきょうの一行
米国入国拒否を批判した裁判所に「何か起きたら判事の責任」とトランプ大統領。ひどすぎる。



このページの先頭へ