水久保文明(JCJ会員 千代田区労協事務局長 元毎日新聞労組書記)エチオピア政府への抗議行為、断固支持する 16/08/23

「ヘボやんの独り言」より転載 http://96k.blog98.fc2.com/

 リオ五輪の男子マラソンは、最初から最後まで見てしまった。今回のオリンピックの競技で全部見たのはこれが初めてだ。途中で「寝てしまうかもしれないね」とカミさんと話ししながらであったが、最後まで見てしまった。

 ゴール直前、2位のエチオピアの選手が両手をかざして×印を作って走りこんだ。それも思ったより長い距離だった。そんなことしていたら3位の選手に追いつかれるぞ、と、訝(いぶか)ったものだ。カミさんとも「あれはどういう意味だろうね」という会話になっていた。

 その理由が分かった。エチオピア政府への抗議だったのだ。以下は東京新聞の報道だが、別の報道では「国際人権団体NGOのヒューマン・ライツ・ウォッチによれば、エチオピアでは2015年11月、抗議デモに参加していた民衆の約400人が治安部隊によって殺害され、数万人が逮捕されたという。」(The Huffington Post)というものもある。

 確かに同選手のゴールのときの顔は険しいものがあった。オリンピックで銅メダルをとることは栄誉だし、嬉しいことだが喜びの表情はなかった。違和感を持っていたが、背景があったのだ。

 ご本人は亡命も視野に入れているようだが、26歳の青年の行為を「政治的利用」と責めることはできない。いのちを守ることへの意思表示だからだ。この行為、エチオピアの〝シールズ〟と言える。以下、東京新聞から(写真は割愛)。

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エチオピア・銀メダリスト 抗議のポーズでマラソンゴール
東京新聞 2016年8月22日 夕刊

【リオデジャネイロ=共同】リオデジャネイロ五輪最終日の二十一日に行われた男子マラソンで、銀メダルを獲得したエチオピアのフェイサ・リレサ選手(26)が額の前で両手を交差させるポーズをしながらゴールインした=写真、ロイター・共同。記者会見では、エチオピア政府の「圧政への抗議」だったと説明した。

 ロイター通信などによると、同国ではオロミア、アムハラ両州などの一部地域での土地の強制収用計画を巡り、昨年から政府に対する抗議が活発化。五輪が始まった八月初めには九十人以上が治安部隊に殺害される事態が起き、人権団体も懸念を示していた。

 リレサ選手は競技後の記者会見で、自らがオロミア州出身のオロモ人であることを明らかにし「エチオピア政府は仲間を殺害し、土地や資源を奪っている。私の親族も違法に拘束された。オロモ人の抗議を支持する」と主張した。

 報道によると、同選手のポーズはオロミア州などで行われている抗議のしぐさだという。同選手は帰国すれば「殺されるか投獄されるかもしれない」と懸念を示し、今後は海外への亡命を検討する考えも示した。

 五輪での抗議はスポーツの政治利用に当たるのではないかとの指摘も出たが、リレサ選手は「これが私の気持ち。国内での抗議は非常に危険だ」と訴えた。
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★脈絡のないきょうの一行
リオ五輪閉会式、スーパーマリオに悲劇が起きた。あんな人と一緒じゃかわいそうだ。


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