水久保文明(JCJ会員 千代田区労協事務局長 元毎日新聞労組書記)台風迷走の理由 16/08/23

「ヘボやんの独り言」より転載 http://96k.blog98.fc2.com/

 この報道は実に分かりやすい。先週発生した台風9、10、11号が〝トリプル〟になった理由や通過経路について説明したものだ。疑問は①なぜ3つも同じ時期に発生したのか②台風は通常九州方面から進んでくるが、関東を直撃したのはなぜか③北海道上陸は少ないはずだが、直撃も発生したのはなぜか④10、11号がなぜ9号を〝追い越し〟たのか――などである。

 この疑問に読売新聞が実に的確に伝えている。しかも短い文章で。図がやや不鮮明で恐縮だが、紹介しよう。

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東西に高気圧、トリプル台風…日本が通り道に
読売新聞 8月22日(月)22時7分配信

 立て続けに発生した9、10、11号の「トリプル台風」が、北海道や関東など広い範囲に大雨をもたらし、河川の氾濫などを引き起こした。

 9、11号が連続して日本に上陸したのは、台風が発生しやすい状況に加え、東西の二つの強い高気圧に挟まれた日本が台風の通り道になったためだ。

 まず日本の東側にある高気圧によって、北を通る偏西風が大きく蛇行し、北極側の冷たい空気が日本の南の太平洋上空に流れ込んだ。その結果、暖かい海面との間に、大きな気温差が生じて上昇気流ができやすくなり、台風が続々と発生した。

 加えて、東西の高気圧の配置が、日本付近に台風の通り道を作った。東側の高気圧は例年ならもっと西に張り出しているはずだが、今年は西側の高気圧が強く、東西の高気圧が日本を挟み込むような配置となった。このため、南の海上で発生した台風は、その間をすり抜けるようにして、東日本や北日本に続々と接近する珍しいルートをとった。
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 この図を見れば追い越しの理由が分かる。10、11号は9号より北側で発生したのだ。なるほどと頷ける。九州を外れて関東を直撃したのは、高気圧の配置が〝犯人〟だったのだ。

 問題は、こういう現象が起きる原因だ。温暖化が影響しているのではないかという懸念は払しょくできない。その問題は専門家に譲りたいが、北海道各地で水害が起きた。普段、台風があまり来ない地域のため、本州より備えが弱かったのではないか、そんな気がする。

 台風通過ルート・日本。火山列島・日本。河川や森林に守ってもらっていることを再認識し、自然を守ることが災害を少なくする(減災)という鉄則を改めて想起したい。

★脈絡のないきょうの一行
リオ五輪マラソン、エチオピアの銀メダリストのゴール直前の行動は、政府への抗議だった。


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