水久保文明(JCJ会員 千代田区労協事務局長 元毎日新聞労組書記)6.19怒りの沖縄県民大会⑤ 16/07/10

「ヘボやんの独り言」より転載 http://96k.blog98.fc2.com/

 沖縄訪問最終日の20日、ひめゆりの塔、平和祈念公園、そして糸数のアブチラガマを訪ねた。ひめゆりの塔はご承知のように「ひめゆり学徒隊」と呼ばれた看護女子高生が、負傷兵の手当をしながら戦禍の犠牲になった事件である。

 女子生徒及び職員総計240名(教師18名・生徒222名)中、117名が死亡するという痛ましい事件である。崖から飛び降り自ら命を絶った人、銃弾に倒れた人、病死した人などさまざまであるが、同じことを繰り返してはならない、という実例として記憶にとどめたい。

【塔の前で説明を聞く若者たち】

【「平和の礎」前にて。向こう側に名前の入った石碑が見える】

 つづいて「平和祈念公園」を訪ねた。ひめゆりの塔から車で10分足らずの所にある。沖縄県の本島南側に位置し、東シナ海を一望するロケーションは見事である。公園内は手入れが行き届いている。いつ訪ねてもゴミ一つない綺麗な公園である。沖縄県は毎年6月23日を「慰霊の日」として位置づけ記念集会を開いている。その準備が進められていた。

 公園の海側に沖縄戦で亡くなった、全国の人たちの名前を刻んだ石碑がある。「平和の礎(いしじ)」と呼ばれているが、その数は24万人にのぼるという。都道府県別に整理されているが、もちろん全部を読む時間はない。が、それらをなぞっていくと平和の尊さが改めて伝わってくる。戦争を起こしてはならない――不覚にも涙腺がゆるんでしまった。

 沖縄訪問の最後は「アブチラガマ」である。写真撮影禁止となっており、紹介出来ないのが残念だ。ここは沖縄県の南側、南城市の糸数にある。その名前を取って「糸数アブチラガマ」と呼ばれている。アブ=深い縦の洞窟、チラ=崖のこと、ガマ=洞窟やくぼみのこと――を指すという。

 有料で案内人もついてくれる。ヘルメットを着用し、懐中電灯を貸してくれる。深い洞窟である。ここに病院があり医者もいて負傷兵が運ばれたという。もちろん地元の住民も避難場所として利用していた。ガマの中でライトを消すと、真っ暗闇になる。方向すら分からなくなる。ここで過ごさざるを得なかった人々の思いは、いかほどだったか。想像を絶する。(次回につづく)

★脈絡のないきょうの一行
参院選投票日。投票率に期待したいが。

 

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