水久保文明(JCJ会員 千代田区労協事務局長 元毎日新聞労組書記)6.19怒りの沖縄県民大会② 16/07/06

「ヘボやんの独り言」より転載 http://96k.blog98.fc2.com/

 名桜(めいおう)大学の学生だという彼女。涙声ながらも、しっかりした口調で語り掛ける。

【涙ながらに語る玉城愛さん】

 「同じ世代の女性の命が奪われる。もしかしたら私だったかも知れない。私の友人だったかも知れない。信頼している社会に裏切られる。何か分からないものが私をつぶそうとしている感覚は、絶対に忘れません。」

 「安倍晋三さん、日本本土にお住まいのみなさん。今回の事件の〝第二の加害者〟はあなたたちです。しっかり沖縄に向き合っていただけませんか。いつまで私たち沖縄県民は。ばかにされるのでしょうか。パトカーを増やして護身術を学べば、私たちの命は安全になるのか。ばかにしないでください。」

 涙声の中に、憤りがひしひしと伝わってくる。

 さらに彼女は続ける。「バラク・オバマさん。アメリカから日本を解放してください。そうでなければ、沖縄に自由とか民主主義が存在しないのです。私たちは奴隷ではない。あなたや米国市民と同じ人間です。オバマさん、米国に住む市民のみなさん、被害者とウチナーンチュ(沖縄の人)に真剣に向き合い、謝ってください。」

 厳しい指摘である。確かに今回の事件は、本土に住む私たちの責任でもあるのだ。後述するが、私は沖縄に行くことを長い間ためらってきた。玉城さんの言う、本土の「人」として沖縄の現状を考えたとき、〝何もできていない〟という無力感に苛(さいな)まれていたからだ。この発言は私にとって小さくない衝撃であった。

 一昨年(14年)8月、名桜大学を訪ねた。ジュゴンを守る国際会議が開かれるというので、それに参加するためだ。ところがその報告者のビザが取れないということで、会議は中止になってしまった。名桜大学は名護市の山腹にあり、自然豊かな中にたたずんでいる。大自然の中で学んでいる玉城さんの発言の意味が、作られたものではなく沖縄に生きる人として自然に出てきたことに納得した自分がそこにいた。

【あいさつする翁長雄志沖縄県知事】

 県民大会は翁長沖縄県知事の登壇で最高潮を迎えた。「先日、被害者が遺棄された場所に花を手向け、手を合わせてきた。〝あなたを守ってあげることができなくてごめんなさい〟という言葉が出てきた。21年前のあの痛ましい事件を受けての県民大会で、二度とこのような事故を繰り返さないと誓いながら、政治の仕組みを変えることができなかったことは政治家として、知事として痛恨の極みであり、大変申し訳なく思っている。」(次回につづく)

★脈絡のないきょうの一行
参議院選挙の新聞各紙予想は、自民優勢。忸怩たるものがある。

 


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