水久保文明(JCJ会員 千代田区労協事務局長 元毎日新聞労組書記)虫の息の椅子―舛添都知事 16/06/14

「ヘボやんの独り言」より転載 http://96k.blog98.fc2.com/

  昨日のつづきになるが、〝天からの声〟は表裏一体で、これ以上都知事を続けさせると参議院選挙に悪影響を及ぼす、と判断したようだ。舛添知事を誕生させた関係上、「辞めさせると不利になる」という判断から、「辞めさせないと不利になる」と変化したのではなかろうか。これは都民の予想以上の怒りに動揺した結果と見る。

 それにつけても、「リオのオリンピックまでは知事を続けさせてほしい」という発言には嗤った。これこそ、公私混同の〝頂点〟である。オリンピックはご承知のように、開催地から次の開催地へ旗がバトンタッチされる。その旗を自分が受け取りたい一心で「リオのオリンピックまで」という発言になったのだろう。この発想も公私混同である。

 都議会与党の自公両党も不信任案を提出するという。議員3分の2以上の出席で、4分の3以上の賛成があったら、知事は10日以内に辞職するか、議会を解散しなければならない。不信任案が可決されたら、ボロボロ状態になる訳だ。いやいや、公私混同の区別のつかないこの人のことだから、議会解散を言い出すおそれもある。

 議会解散という事態になれば、泥仕合になる。いや、都政の機能不全となり被害は都民に及ぶ。公私混同知事はそれも理解できないほど、公私混同しているわけではなかろう。速やかに辞職すべきだ。

 そういえば、昨日の集中審議でやや、不可解な質問があった。たまたまその部分を中継で見たのだが、公明党の松葉議員が大量の美術品について、どこに何があるのか、費用はどのくらいするのかを20日までにメモを提出するよう、知事に迫り、知事はそれを了承したことだ。

 あれ? と思った。今の都議会は今週15日が会期末だ。その会期末に不信任案を採決しようという動きになっている。にもかかわらず、公明党議員は来週の「20日までに」という注文を出している。会期以外でも総務委員会は開くことはできるのだろうが、これは20日まで延命はOKだよ、と同義語である。明らかに会期を過ぎても延命を認める発言である。

 だから、あれ? と思いつつ公明党は不信任案に反対するのか、と思った次第だ。ところがきょうの報道は、この「20日まで」の問題に全く触れていない。公明党も不信任案に賛成へ、という活字が躍っている。だったら何故「20日」という発言が出たのだろうか。不可解だ。

 とりあえず、その疑問にはフタをすることにして舛添要一都知事は、不信任案が出る前に辞職すべきだ。その椅子はすでに虫の息であり、恥の上塗りをしないためにも。

★脈絡のないきょうの一行
あの野中広務氏が自民党復党。なぜ? は尽きない。ヘン。




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