水久保文明(JCJ会員 千代田区労協事務局長 元毎日新聞労組書記)舛添都知事、辞任しない3つのワケ 16/06/13

「ヘボやんの独り言」より転載 http://96k.blog98.fc2.com/

 舛添要一都知事の公私混同をめぐる疑惑はますます深まっている。きょうの都議会で集中審議が行われ、いよいよこの問題の正念場を迎える。よくぞここまでがんばれるな、と、そのメンタル性に驚嘆の声すらある。あきらかに〝死に体〟である。にもかかわらず、当人はひたすら批判をかわし延命に汲々としている。その姿は滑稽さと悲しさを描き出している。

 なぜここまで辞任を拒否するのか。私は大きく分けて3つあると考える。

 一つは、公私混同をはばからずやってきたご本人の性質(たち)の問題だ。「カエルの面(つら)に小便」という言葉がある。正確には「蛙の面に水」ということのようだが、この人はそういう人(カエル)なのではなかろうか。カエルに失礼だから詳しく見てみよう。

 カエルの面に水/「どんな仕打ちにも少しも感じないこと。蛙の面に小便。」(デジタル大辞泉)、「どんな仕打ちをされても,全く平気でいること。しゃあしゃあとしているさま。蛙の面に小便。」(大辞泉)――ということになる。

 何を言われても、批判されても同じ言葉を繰り返し続ける。これは一種異様であり、強靭に映る。しかし実のところはカエルが小便をかけられても平気でいる様子、と全く変わらないのだ。逆説的に読めば、だから別荘に行くために公用車を使ったり、政治資金で絵画を買ったり、家族旅行を公金で賄ったりできるのである。この体質は都知事の資格はない。

 二番目は、〝天からの声〟があるのではなかろうか、という疑問だ。いま、辞任すると参議院選挙とダブル選挙になる。都政与党の自民党と公明党にとっては、東京都は一地方の問題ではあるが、参議院選挙に及ぼす影響は小さくない。「それは避けてくれ」という声があるのではないか。

 さらにその〝天からの声〟は、舛添さんのさらなる〝巨悪〟をつかんでおり、「ここで辞任すればそれを明らかにするぞ」という暗闇の中の暗黙の了解があるのではないか、という点だ。もちろんこれは想像に過ぎないが、ご本人の、蛙の面に小便的な性質だけではなく、たとえば隠された政治資金規正法違反のようなもっと大きな問題があるのではないか、と考えるのは穿(うが)ちすぎだろうか。

 もう一つは、2020年の東京オリンピックとの関係だ。今辞任すれば、20年の東京オリンピックの最中に都知事選挙が行われることになる。東京都知事選挙は、一人の代表を選ぶ選挙としてはアメリカの大統領選挙に次ぐイベントだと言われる。つまり有権者の数が一番多いのがアメリカ大統領選挙、二番目が東京都知事選挙なのだ。

 オリンピックと都知事選挙が重なると、大イベントが二つになる。これは避けてほしいと思うのはオリンピック関係者の本音だろう。もちろんこの件に関しても〝天からの声〟が作用していることは考えられる。

 さて、舛添さんどうするか。都議会で不信任案提出の動きも始まった。きょう午後2時30分から都議会で、この問題について集中審議が行われる。その動きを見ていきたいが、舛添都知事は、今、辞任を決断すべきである。

★脈絡のないきょうの一行
13日に財務省と内閣府が発表した2016年4~6月期の法人企業景気予測調査によると、悪化している(時事通信)。これも目が離せない。



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