水久保文明(JCJ会員 千代田区労協事務局長 元毎日新聞労組書記)熊本(九州中部)地震⑤⑥ 16/05/30

「ヘボやんの独り言」より転載 http://96k.blog98.fc2.com/

 ブログのアップが少し停滞しました。ご容赦を。

 益城町を通過して西原村に入った。今回の地震の原因ともなった布田川活断層のあるところだ。なんとかして亀裂の入ったその現場まで行きたかったのだが、道路は寸断されており、諦めるしかなかった。しかし、〝活断層の上にある村〟とでも言おうか、破壊力はすごいと思った。

【西原村①/破壊力はすごい】

 上の写真は左側が神社の入り口で、神社を取り囲む石垣が崩れ落ちていた。熊本城の様子とよく似ている。重機を使わなければこの石は持ち上げきれないだろう。すさまじい破壊力である。この石垣は写真の右奥に30メートル以上はつづいているが、これが全て崩落していた。これは復旧に相当な時間がかかるだろう。

【西原村②/倒れかけた家屋】

 これは見るからに危ない状況である。もちろん、人は住んでいない。もう一度震度6クラスが襲えば、倒れるだろう、そんな気がした。被災地を歩くときは準備したヘルメットを着用しているが、それでも現場からは足早になる。

 下の写真は、上記のほぼ向かい側の家の入り口を撮影したものだ。赤い「危険」と書いた紙が貼られている。この紙が貼られた家は、基本的には入れないことになっている。しかし、そこに住んでいた人は、簡単にはいかない。生活必需品を取り出すために、出入りは必要だからだ。

 この紙は通称「赤紙」と呼ばれる。これを貼られた家で、全壊でなければ国からの補償金は極端な減額となる。住み続けることができないにもかかわらず、だ。どこかで線引きをしなければならないのだろうが、釈然としない。

【「赤紙」が貼られた家】

 95年の阪神淡路大震災のとき1か月後に被災地に入ったが、「危険」貼り紙の家屋にローソクで暮らしている人を見かけた。これは危ない。しかし、住む場所が確保できない限り、そうせざるを得ない被災者にとってやむを得ない選択だったのだろう。(次回につづく)

★脈絡のないきょうの一行
中止なら分かるが経済策の失敗を〝国際経済〟のせいにして、消費税増税2年半延期? フザケルナ。

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 道路際に下記写真の家屋を見つけた。「ありがとう がんばるぞ熊本西原村」と壁に書いてある。その家自体、屋根瓦が散乱していたが「地震に負けない」という思いだろう。雲仙普賢岳の火砕流災害の時、「普賢さんに負けたらいかん」という大きな横断幕が掲げられ、メディアにも取り上げられて話題になったことがあるが、被災者の心意気を感じる。

 このような書きつけを見るとこちら側が励まされる思いであった。

【〝がんばるぞ熊本西原村〟】

 西原村をあとにして、南阿蘇村に入った。写真はう回路を使って、高台から撮影したものだ。少し見えにくいかもしれないが、のどかな田園風景である。この村が大地震によって大きな衝撃を受けたのだ。

 少し見づらいが、写真左手の山の地肌が茶色になっている。これは最近崩落したものと思われる。地震による山の崩落で大きな被害が出た。この状況は08年6月の「岩手・宮城内陸地震」の被害状況とオーバーラップする。荒戸沢ダムあたりで大規模崩落が起きて、まるでグランドキャニオン状態になっていた。これもまた、直下地震の怖さであった。

【田園風景の南阿蘇村。知らなければ地震があったとは思えない】

【荒戸沢ダム近くの崩落現場(09年10月撮影)】

 南阿蘇村から阿蘇山を正面にして、東側・高森町を経て車は阿蘇神社に向かった。余震はつづいており、山間部を走るとき、「急ぎたい」という思いがそうするのだろう、ついついアクセルを踏んでしまう。

 阿蘇神社の状況は、まず写真を見ていただこう。楼門の写真は、倒れる前のものを神社の正面に掲示したありそれを使ったもの。最後は本殿である。

【倒れる前の楼門】

【倒れた楼門の屋根(裏側あたりから)】

【崩落した拝殿】

 これは立派な楼門(2階建てになった門)だ。歴史と格式を感じさせる。神社の参道の土産物屋のおばさんは「1回目は大丈夫だったが、2回目の地震で倒れた」という。2回目の本震が直撃したのだ。確かに見るからに屋根は重そうだ。

 2枚目は楼門の裏側あたりから撮影したもの。立ち入り禁止になっており、近づけなかったが様子は分かる。倒れたときは真夜中だったため、人的被害がなかったのがさいわいだ。

 3枚目は、崩落した拝殿である。中央部の崩れたところがそれである。ここも楼門と同じように2回目に崩れたという。たまたま熊本県議会の議員さんたちが視察に来ていた。中央は宮司さんだろうか説明しているようだ。(次回につづく)

★脈絡のないきょうの一行
野党、内閣不信任案を提出。虚々実々の国会運営。うんざりするね。


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