水久保文明(JCJ会員 千代田区労協事務局長 元毎日新聞労組書記)熊本(九州中部)地震①② 16/05/18

「ヘボやんの独り言」より転載 http://96k.blog98.fc2.com/

 天皇夫妻の熊本地震被災地訪問が決まったという報道が流れた。喜ばしいことであるが、ご夫妻の健康状態は大丈夫なのだろうか。それが心配だ。

 私は、5月4、5の両日に現地を訪ねた。直下地震の威力をまざまざと見せつけられた思いだった。しばらくこの報告をしたい。

 東京・有明で開かれた3日の「憲法集会」に参加して、デモはパスして自宅にもどり準備を整え夕方5時、マイカーに支援物資を積み込んで「一人運転の旅」である。九州まで、車で3度行っている。そのときの運転手は2人だったが、独り、は初めてである。熊本まで1200キロ、ちょっとした〝ラリー〟だ。

 新東名道に入ったあたりから暗くなったが、この道は広くて走りやすい。新東名から湾岸道、新名神を走る。天気予報どおり名古屋あたりから雨が降り出した。途中、ワイパ―をフル回転させる場面もあったが、神戸あたりで雨とはさようなら。

 山陽道は事故で一部通行止めになっている、という情報がカーラジオから流れてくる。カーナビは山陽道に行くよう指示するが、それを無視して中国道を走ることに。山陽道と中国道の分岐から極端に車の数が減る。中国道は山間部を走っており、こちらへ行く車は少ないのだろう。

 途中のサービスエリアで仮眠休憩を繰り返し、空が白み始めたのは山口県に入ったあたりから。本州と九州に架かる関門橋の中心部でカーナビが『福岡県に入りました』と教えてくれる。ずいぶん遠くへ来たもんだ、と実感する。

 九州に入れば、もう熊本に着いたような気分になる。この日の目的地は、熊本県労連だ。先方との待ち合わせ時間は午後4時にした。時間的には十分である。のんびり走ることにする。

 午後3時過ぎに「益城熊本空港インターチェンジ」を出て、熊本市街地をめざす。待ち合わせまで余裕があるので、市内を走ってみた。道路から見る街並みは、思ったより壊れていない。が、店が開いている様子はなかった。祝日のせいかな、などと考えたりする。

 熊本駅をめざしたが、途中で通行止めの案内板があり前進できない。やむなく、予定より30分ほど早すぎたが、熊本県労連に入った。

 待っていてくれた県労連の事務局長は大歓迎してくれた。支援物資を車から降ろし、カンパを手渡し。たまたま、福岡県労連の事務局長が来ており、被害状況などについて聞かせてもらうことから始まった。(次回につづく)

★脈絡のないきょうの一行
覚せい剤取締法違反容疑の清原和博元プロ野球選手の裁判が始まった。起訴内容を認めたという。子どもたちの夢を壊した罪は重い。

     ◇     ◇     ◇     ◇     ◇     ◇

 昨日の国会で、地震被災者の仮設住宅づくりを急ぐべきだ、という議論がなされたが、熊本の仲間たちとも同じような意見交換となった。

 「東日本のときは、物資が不足して大変だったようですが、熊本はそれなりに届いています。問題は住むところでしょうか」、「仮設住宅づくりを急ぐ必要があると思いますが、地元の業者にやらせることが大事。ゼネコン主導では被災建設業者の復興にはならない」。

 「仕事を失くした人たちの救援をどうするのかが重要問題。仕事に就かなければ生活が成り立たない。この解決も急ぐ必要がある」、「被災現場に行ってみたら分かるが、崩れてしまった家とそうでない家が混在している。直下地震によるものと思われるが、その差は大きい」

 など、の意見交換となった。そうこうするうちに前中央労働委員の淀房子さんがやって来た。彼女と私は一緒に中労委委員に立候補した間柄で、いわば〝戦友〟である。もともと彼女は熊本の国立病院の看護師で、全医労の副委員長として中労委に立候補したもので、中労委を降りた後は熊本に帰っていた。

 4年ぶりくらいの出会いであろうか、元気そうで何よりである。自宅の被害は幸いになかったという。彼女を熊本城近くの自宅に送り届けて、私は宿泊地・大牟田へ。熊本行きにあたって泊まるところを探したが一番近いところにビジネスホテルが空いていたのは福岡県だが大牟田だった。熊本まで高速道で70キロは射程距離だろうとここを選んだ。

 2日目。長崎県大村市の従姉妹の娘が熊本に住んでおり、この子に被災地を案内してもらうため、インターチェンジ近くのホームセンターで待ち合わせることにしてあったが、時間前に熊本城を訪ねてみた。まず3枚の写真を見ていただきたい。

【崩れた熊本城壁】

【崩れた城壁に押しつぶされた熊本大神宮の拝殿】

【大神宮に隣接する熊本稲荷神社】

 城の中に入りたかったのだが、進入禁止になっており断念。道路から見える部分しか撮影できなかった。櫓(やぐら)が横倒しになっている。城壁を後ろにした大神宮は、崩れたそれに押し流されるように潰れていた。ものすごいエネルギーである。

 その大神宮に隣接する熊本稲荷神社は、無傷であった。早朝だったせいもあるだろうが、何事もなかったかのようなたたずまいを見せていた。このあと、同じような光景を益城町なで見ることになる。(次回につづく)

★脈絡のないきょうの一行
舛添都知事の政治資金流用釈明、すっきりしない。こりゃもう、参議院選挙と一緒に都知事選挙だね。


 

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