水久保文明(JCJ会員 元毎日新聞労組書記 千代田区労協事務局次長) 新作映画『蟹工船』 09/07/14
「ヘボやんの独り言」より転載 http://96k.blog98.fc2.com/
新作映画『蟹工船』
最新作の映画「蟹工船」を観てきました。ご承知のように小林多喜二原作のこの映画、なかなか見応えのあるものに仕上がっていました。内容からして、どうしても船の中のシーンが多くなります。それゆえに、大きなスクリーンで芝居を観ているような錯覚に陥りましたが、飽きることはありませんでした。「剣岳——点の記」でも活躍した松田龍平がいい演技をしていました。先々、活躍する役者になるのではないでしょうか。
生きる、ことをテーマ据えたこの映画、考えさせられるものがありました。「生きるためには環境に馴染まず、それを変える必要がある。環境を変えるためには自分たちが変わらなければならない」——。つい最近、アメリカ大統領選挙で聞いた「チェンジ」の精神そのものですが、これはオーバーにいえば人類の永遠のテーマなのかもしれません。
今でも労働組合などに飾ってあるところがありますが、白鳥事件で無実の罪をきせられ、18年間獄中でたたかった村上国治さん(故人)の色紙に、「たたかわずして 何で自由といえようか」と記したものがあります。この一言は獄中にあってもたたかい続けた、村上国治さんだからこそ重みのあるものです。この言葉をこの映画風に読み替えるなら「たたかってこそ変えられるし、自由が生まれる」ということになりましょう。
この映画はSABU脚本・監督によるものですが、1953年に山村聡さんが作った同名の映画「蟹工船」と、内容においても重厚さにおいても遜色ない、と思いました。間違いなく、小林多喜二の思いが伝わって来ると断言できます。一つだけ違うのは、山村映画は漁師たちが海軍兵士に銃撃されるシーンで終わりますが、SABU映画は、これからたたかいが始まるところでエンディングとなります。映画がつくられた時代背景の違いだと思いますが、あなたはどちら好みでしょうか。
さあ、いよいよあさって都議選投票日。それにつづく総選挙で、都民はいまを「変えられる」のでしょうか。多喜二の思いに応えられるのでしょうか。
★脈絡のないきょうの一行
サミットでも核なき世界で議論。核廃絶にスピード違反はない。もっと早めてほしい。